宮城県作業療法士会

お知らせ

県士会ニュース142号 2017.2.26

2017.02.26

目次

① 平成29年の年頭に寄せて … 道又顕
② 宮城県大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会 … 上遠野純子
③ ブロック主体での県学会を終えて … 長嶋卓矢
④ ◆職場紹介◆東北医科薬科大学 若林病院 … 皆川昌子
⑤ ◆つぶやきコーナー◆「人生山あり山あり」 … 高橋美幸
⑥ ◆つぶやきコーナー◆「宮城県での生活を振り返って」 … 二瓶智史

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① 平成29年の年頭に寄せて

 

一般社団法人宮城県作業療法士会 会長 道又 顕

遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。旧年中は会員の皆さまには多大なご協力をいただき誠にありがとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

昨年は会長を拝命されてから初めて1年間を通して活動を行いました。会長として士会を代表して県内で行われる会議等に出席したり、日本作業療法士協会の47都道府県委員会に出席したりと忙しい1年でした。また、皆さまもご存知のように宮城県理学療法士会、宮城県言語聴覚士会と宮城県リハビリテーション専門職協会を設立し、宮城県や仙台市だけではなく関係団体へご挨拶させていただくことも出来ました。リハビリテーション三職種が一つになることで、宮城県や市町村の窓口が一本化されるだけでなく関連団体との関わりも増えていくことになっていくと思います。昨年の活動の中では、リハビリテーション専門職に対する期待は医療・介護の現場だけではなく、地域のなかで広がりはじめているように感じております。地域包括ケアシステムの構築に向けて作業療法士は何が出来るのかを、より分かりやすく地域へ伝えていくことも大切なことだと考えております。

本年も引き続き作業療法の啓発、地域包括ケアシステムに資する人材育成、さらに病院・施設で勤務している会員が地域からの派遣依頼に応えやすいシステム作りを目指して頑張っていきたいと考えております。今後とも会員の皆さまの一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

② 宮城県大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(通称:JRAT MIYAGI)について

緊急時対策委員会担当理事 上遠 野純子

平成23年に私たちは東日本大震災という未曾有な災害に遭い、多くのものを失いました。家を失い、家族を失い、また多くの対象者を失いました。宮城県OT士会は、震災後すぐに県士会会員の安否確認と会員の勤務する職場の被災状況を電話等で確認する作業を続けるとともに、被災した地域での支援活動に関する連携について、宮城県PT士会と協議を行い、協働で行う支援活動運営の流れを決定しました。また、地域保健師とともに一般避難所の巡回支援を行っていた、保健福祉事務所と県リハ支援センターの20余名のPT・OTからの沿岸地域の情報を得て、私たちは被災した沿岸地域で支援活動を継続してきました。支援活動を開始して間もなく、東北大学内部障害リハビリテーション科の上月教授から連絡が入り、関連施設の被災状況や医師の派遣状況、また連携していつでも協働で活動が行える体制を作って頂けることをご教示頂きました。私たちは、その後適宜、上月教授に、支援活動に入った地域の避難所や仮設住宅の活動状況をお伝えし、アドバイス等を頂きながら、活動を継続して行きました。その内容は先の様々な支援活動報告に示す通りです。

私たちは、昨今の国内外での自然災害後の被災者支援活動を経験する中で、平時からリハビリテーション関連団体相互が連携し、各地域にて災害リハビリテーション支援チームを発足する必要性を感じつつ、活動を続けておりました。そして、大規模災害発生時には災害弱者、新たな障害者、あるいは被災高齢者などへ、チームで適切な対応を行うことで人々が災害を乗り越え、自立生活を再建、復興を目指していけるように、安心、安全且つ、良質なリハビリテーション支援を受けられる制度や体制の確立を促進することが重要と考え、一昨年から宮城県リハ医会、宮城県PT士会、OT士会、ST士会、宮城県ケアマネ協会の各担当者が集まって協議し、準備検討を進めて参りました。そこでこの度、平成28年12月1日に「宮城県大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会」(Japanese Rehabilitation Assistance Team MIYAGI)を設立する運びとなりましたことを、会員の皆様にご報告申し上げます。活動の目的は会則にも示す通り、災害リハビリテーション支援チームの育成と組織化、都道府県を単位とする全国規模のネットワークの構築、災害リハビリテーションに関する教育・啓発のための研修および広報が主になります。ホームページも開設し、その活動のあり様はこれからも会員の皆様にお知らせしつつ、関連団体の輪を広げて、多職種でのネットワークを構築することは地域リハビリテーションの充実にも繋がると思っておりますので、研修会等には是非足を運んでみてください。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

JRAT写真

 

③ ブロック主体での県学会を終えて

 

長町病院  長嶋 卓矢

今回、仙台市民会館で行われた「第18回宮城県作業療法学会」の実行委員長を務めました仙台南・名取ブロックの長嶋です。岩沼・仙南ブロックの高梨先生と協力をして、無事終了することが出来ました。協力して頂いた各ブロックの先生方や運営などにご指導頂いた先生方、参加して頂いた皆様に感謝いたします。
生活を支援する作業療法について大貫先生に講演頂き、『対象者がその人らしく生活できるようその人の本当の目標を把握し、コミュニケーション力をもって他職種連携チームで支援する』というコミュニケーション力の必要性を改めて感じました。また、発表して頂いた5名の先生方いずれも考えの幅を広げる、深める上で貴重な症例報告、事例報告であったと思います。
研修会は他施設のOTの先生の発表を聞くことが出来るほか、今作業療法士に求められている事、悩み・共有したいことなどが少しでもはっきりする場だと私は思います。そのため、ぜひ皆様にお願いしたいのが、各ブロックでの活動に対して協力をして頂きたい事です。もちろん業務が忙しい、家庭があり遅くまでは難しい、興味がわかないなどはあると思います。ただ、「この部分だったら手伝える」など少しの事でもよいですので参加してみてほしいです。
今回、学会の運営に携わり、失敗や反省も非常に多々あります。しかし、たくさんの先生方の協力のおかげで終えることが出来ました。何かを作り上げる事は非常に大変なことであるとは思いますが、様々なつながりを作っていき(その身近なものがブロック活動だと思います)、コミュニケーション力を養っていきたいと思います。多くの皆様から意見を頂き宮城県作業療法士協会を盛り上げていきたいと思いますのでご協力を御お願い致します。

 

④ ◆職場紹介◆

東北医科薬科大学 若林病院

 

皆川 昌子

【施設概要】
病床数:199床   療法士数:理学療法士11名、作業療法士8名、言語聴覚士3名
H22.4 作業療法室開設
H28.4 NTT東日本東北病院から東北医科薬科大学若林病院に名称変更

当院の作業療法対象患者の特徴として、呼吸器疾患患者が多いこと、生物学的製剤治療を受けているリウマチ患者に定期介入していることが挙げられます。
呼吸器疾患患者は入院リハ全体の約3割を占め、医師、看護師、薬剤師、栄養士、療法士など多職種で構成された呼吸サポートチーム(RST)を中心として包括的リハビリテーションが行われています。RSTの取り組みとして、日々の関わりを見直し、より良いリハビリテーションを提供するため学会発表や院内研修会開催などチームとしての研鑽が積極的に行われています。また臨床場面において作業療法士は主にADL指導の役割を担っており、より息苦しさの少ない安全かつ自立した生活を送っていただけるよう支援しています。
リウマチ患者の生物学的製剤治療は4~8週間隔で実施されています。対象の患者は、治療日に一泊程度入院し、それ以外はご自宅で自立した生活を送られている方が殆どです。こういった方に対し自立した生活が続けられるよう、身体機能の評価、自主トレの指導、日常生活における困難へのアドバイス等を行っています。
どの疾患にも共通することですが、関わりの中で病気に対する不安や戸惑い、孤立感などの声が多く聞かれ、障害受容やメンタルケア、QOL面への関わりも作業療法士として重要な役割であると感じます。RSTでは年4回フライングディスク講習会を開催し、患者間の交流の場を作っています。このような活動をRST以外でも広げていきたいと考えています。同じ疾患を持ち似た境遇を共にする仲間との交流の場を設け不安や孤立感を軽減できるような役割を果たしていければと思います。
以上が当院における作業療法士の役割の一つではありますが、今後も地域に根ざした病院の一員として存在感のある作業療法部門を目指していきます。

 

⑤ ◆つぶやきコーナー◆

「人生山あり山あり」

 

宮城病院 高橋 美幸

今年度は何と忙しかった事でしょう。
春に現職に異動になり、前年度から準備していた学術団体の東北ブロック研修会の実行委員長としての企画運営、他に勤務している機構団体の北海道東北グループの作業療法の研修会・リハ学同窓会の企画運営等を6つ抱えていました。息切れしながら何とかやってきました。
最近、ある懇親会のご挨拶で、順天堂医院の理学療法士の保苅先生が「人生色々です。山あり谷ありと言いますが、谷はありません。山の次に山が来ます。山が無くなった時は生きる事を止める時です」と言われました。妙に納得しました。
毎日、忙しいことが何かと続いています。先日は一つ、山を登りました。ホット息をつくとまた山が来ます。保刈先生の言葉を思えば気が楽になります。
これまで色々な方々にお世話になってきました。これらの沢山の仕事も一緒に手伝ってもらえる仲間がいての事です。本当に感謝の気持ちで一杯です。人とのつながりの大切さをこの年になり更に感じます。
先日のリハ学の同窓会の話題は、「これまで仕事をしてきて、50歳を過ぎてこれからの人生をどう考えてどう生きるか、これから何をするか」でした。そういう事を考える年になりました。
今年70歳になられる恩師は、とてもパワフルで今も研修会で学び、そして世界各地で遊ばれる姿はとても感銘を受けます。私も定年まで働きたいですし、定年後も働きたいと思います。
五十肩に腱鞘炎になり、周りのセラピストに治療してもらい、自分でもリハビリをして何とか治りましたが、筋・関節の柔軟性を上げることは予防の意味でも大事だと思いました。今はメンテナンスのためにホットヨガ、ホットピラティス、日々のバランス運動をしています。年々落ちる体力、あと△年今の心身状態を維持できるでしょうか。維持することの大切さを感じ、高齢の患者さんの機能維持は生活の質に関係するとしみじみと思います。
恩師のようにいくつになっても学び続ける事が自分たちの専門職としの知識・技術、地位の向上になり、何よりも患者さんを良くすることにつながります。
資格を得た時がスタートです。ゴールはありません。生涯続きます。特に若い時程、時間、体力、気力、記憶力、自由になるお金が有ります。是非、生かして頂ければと老婆心から思うこの頃です。「山あり山あり、それが生き続ける」事です。

 

⑥ ◆つぶやきコーナー◆

「宮城県での生活を振り返って」

 

川崎こころ病院 二瓶 智史

地元を離れ12年の歳月が流れ、宮城県での生活ももうすぐ8年が終えようとしています。
大学を卒業してすぐに現在の職場に就職し、精神科療養病棟で約1年半、回復期病棟で約6年半勤めさせていただきました。また、県士会に所属し、約8年間広報部員としてお世話になりました。
社会人になりたての頃は日々の業務を覚えることに精一杯で、正直仕事以外での思い出はほとんど残っていないような気がします。2年、3年...と月日が経つにつれ、生活にも少しずつゆとりがうまれ、休日には仙台市内を観光したり鳴子まで温泉に入りに行ったりと楽しみをもって生活できるようになったことが懐かしく思えます。徐々に求められることが変化していく中、後輩育成や学生への指導の難しさに悩むこともありますが、楽しく充実した日々を送れたように感じます。県士会活動では、広報部員としてどれだけ貢献できたかはわかりませんが、多くの方々に支えられながら楽しく活動を続けてくることができました。
4月からは地元の急性期病院に勤めることになります。新しい環境での生活に不安もありますが、それ以上に期待が大きいのでとても楽しみにしています。今後は宮城県を離れてしまいますが、学会や研修会等でお会いした際には声を掛けていただけると嬉しく思います。
最後に、宮城県で過ごした8年間でお世話になったすべての方々に感謝したいと思います。今までありがとうございました。またお会いできることを楽しみにしています!

編集後記
気づけば今年も最早3月目前と月日の流れを痛感しています。朝晩の気温差や日によっての変動も多くありますので、どうぞお体に気をつけてください。今年も会員の皆様にニュースを発信していくにあたり尽力して参りますので宜しくお願い致します。佐藤(光)

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