宮城県作業療法士会

お知らせ

県士会ニュース第129号  2014年1月1日

2014.01.01

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時代(次代)を担う作業療法士へ

一般社団法人宮城県作業療法士会 会長 上遠野純子

新年あけましておめでとうございます。旧年中は会員の皆様には大変お世話になりました。東日本大震災から2年10ヶ月が過ぎ、私達は、作業療法が地域住民の自立生活を支える有効な手段となり得ることを、震災後の様々な活動によって気づくことが出来ました。悲しい出来事ではありましたが、その中での経験が、私たちをより成長させてくれていることを実感しております。

さて、宮城県作業療法士会は発足30周年を過ぎ、昨年6月には30周年記念講演会ならびに記念式典、祝賀会を開催し、宮城県、仙台市をはじめとし、関係団体の方々のご臨席も賜り、我々の活動の新たな節目に多くのエールを頂戴しました。この節目にあらためて、我々の諸先輩が県士会活動の形をこれまで懸命に作って下さったことに感謝しつつ、それを礎に、私達は新たな県士会活動のあり様を形成して行く必要性も感じた次第です。

私は、この3年間作業療法士の養成校の教員として未来の作業療法士を育成するにあたり臨床の方々と、どのように若い人材を育てて行くべきかを話す機会を多く与えて頂きました。そこで私自身が学生の育成について考えていたことは、現状に妥協せず、常に何事にもチャレンジする姿勢を持ち、失敗を恐れず、粘り強く物事に取り組むことが出来る人材を多く輩出して行きたいということでした。私の技術・知識の伝承はままならず、多くの時間は、臨床現場の作業療法士の方々おひとりおひとりの後押しがあってこそ、若い学生達はこの3年間で大きく成長してくれました。しかし加えて、その後の卒後教育の重要性をあらためて再認識した3年間でもありました。時代のニーズは、めまぐるしく変化し、臨床現場で求められる人材は、養成校在籍中のみで育成出来るものではありませんでした。私が臨床で身を置いていた身体障害領域でもこの10年間の中で、例えば呼吸リハビリテーションにおける作業療法士の行う治療的エビデンスは、大いに進化してきました。これはすべて、臨床における対象者との関わりとその研究成果を我々が事例検討等で世に示し続けたためです。そのような卒後教育での取組としての学会運営や研修活動等県士会活動の果たす役割は大きく、時代を先取りし、会員の臨床現場で求められるニーズに、的確に応えて行くことが出来る研修システムのありようをこの1年間で作って行こうと思います。そのためにも、県内の多くの関係機関との連携と協働、そして会員の皆様のご支援をお願い申し上げる次第です。次代を担う作業療法士育成のため県士会は頑張って参ります。本年もどうぞよろしくお願い致します。

第15回宮城県作業療法学会報告①

 

第15回宮城県作業療法学会を終えて

第15回宮城県作業療法学会 学会長 川村謙吉

02 学会当日の朝,国見近辺は強風が吹き荒れ,JR仙山線が動くのか非常に心配したのですが,実行委員と参加者の思いが通じたのか,無事開催することができました。学会参加者は153名で,参加職種は理学療法士,介護士,保育士,福祉用具専門員,一般市民,学生など幅広く参加していただきました。今学会は,地域支援に関わる方に実行委員と発表者になっていただき、まさに、みやぎオールスターズで臨んだ学会でした。

03実行委員は,皆とても熱い思いを持っている方ばかりで、「地域支援の必要性を感じていただけること」、「福祉機器を体感し、業者にも喜んでいただけること」、「実行委員も楽しめること」「若いOTに気づきの機会を提供すること。」をコンセプトに、みんなでつくりあげました。参加者のアンケート結果から学会を振り返ってみると、「OT」を他者へ伝えるためには,自分自身がOTとしての役割を明確にしていなければならないと感じた。」,「訪問リハに関わっていると入院中と在宅でギャップを感じる。その差を埋めることの重要性を改めて感じた。」,「実際に機器に触れて体験することで患者さんの気持ちや便利さがわかった。これから患者さんに合った機器を提案したい。」,「各領域での特徴,役割を改めて学ぶことができた。また,地域へ戻る患者様のためにも連携をとれるようになりたい。」,「地域で活躍できるOTになるために,地域から求められているOTの役割を知り,考えることができた。」
などの意見をいただくことができ、開催までの努力が報われたような気がしました。朝から夕方まで目一杯のスケジュールであったにもかかわらず,最後まで熱心に聞いていただきましたが,プログラムを少し詰め込みすぎたため,発表時間が短くなったことやフロアとの会話が十分できなかったことは,今後に活かしていただきたい反省点だと思っています。

本学会を通じてOTの底力と可能性を再認識できたことは,これからの地域支援を考える上で大きな収穫でした。次年度は,大貫学会長のもとでの開催となります。ぜひ,みなさんの協力で宮城県の作業療法を盛り上げていきましょう。

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