宮城県作業療法士会

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県士会ニュース vol.151 2019.11.30

2019.11.30

目次

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① 特設委員会 運転と作業療法の活動報告 … 特設委員会運転と作業療法 委員長 菅野俊一郎
県士会活動紹介
① 社会人アドバイザー in 進路のミカタLIVE 2019(仙台)参加報告 … 広報部長 佐々木俊二
②仙台市障害者スポーツ協会主催「パラスポ仙台」活動報告 … 国立病院機構宮城病院
佐藤 好

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①特設委員会 運転と作業療法の活動報告

委員長 菅野俊一郎

 
運転支援 1
運転支援 2
特設委員会 運転と作業療法は令和1年8月30日(金)に宮城県指定教習所協会主催の研修会に講師を派遣し参加してきました。
講師派遣に至る経緯として2018年度日本作業療法士協会の支援事業に参加したことから繋がっています。この支援事業は日本作業療法士協会の運転と作業療法委員会で企画した『三者協議の開催支援』です。三者協議の枠組みは、自動車運転再開支援における主要な関係部署である公安委員会、指定教習所協会、県士会などを指します。三者協議の中で各機関の取り組みや課題を共有し、連携強化を図っていくことを確認することができました。
三者協議後、宮城県指定教習所協会より定期で行っている研修会のテーマを2019年度は『高次脳機能障害を有する運転免許保有者の運転再開支援に向けた研修会』とすることとなり、宮城県作業療法士会に講師依頼がきました。
研修会には仙台市内を中心に26施設33名の教習所職員と県警本部交通部運転免許課の職員2名が参加しました。県士会からは講師として仙台リハビリテーション病院の原田勝行委員、大内義隆担当常任理事、三浦晃担当理事、運転と作業療法委員長の菅野が参加しました。講演内容は『高次脳機能障害者に対する運転再開支援に資するための基礎的知識』と題して奥羽自動車学校で使用している実車評価時の評価表と高次脳機能障害の症状を照らし合わせながら高次脳機能障害について講義を行いました。質疑では実車評価を受け入れている施設から質問があり、指定教習所協会の専務理事からも好評を得ました。
その中で専務理事からお願いされた内容が2つありました。1つ目は患者を一人で教習所に送り出す病院があり、本人含め何をするために教習所に来たかわからなくなる場合があったそうです。教習所としても対応に困ってしまったとのことで、教習所に行く場合は家族や作業療法士に来てもらって評価する環境にしてもらえないか、との提案がありました。2つ目は教習所の現状についてです。社会貢献である高次脳機能障害者に対する支援は必要と認識はしつつも安定した経営は重要な課題となっており、一定の理解はしてほしいとのことでした。教習生は平成5年では5万人であったのに対し、平成30年は3万人を切っており、閉校や合併が出てきている。実車評価はペーパードライバー講習という枠組みで行っているが一定の教習費用はかかることを前提にお願いしたいとのことでした。
今回、教習所協会主催の研修会に参加しましたが、医療機関の関わりの重要性を感じてきました。今後も連携を深めながらお互いの取り組みについて理解を深めていけたらと思います。

 

 

県士会活動紹介

①社会人アドバイザー in 進路のミカタLIVE 2019(仙台)参加報告

広報部長 佐々木俊二

 
 
就職 1
主 催:株式会社マイナビ
運 営:13歳のハローワーク公式サイト  
(13hw)編集部
日 時:2019年7月16日(火)13:00~17:30
会 場:仙台国際センター
参加者:事務局担当理事 熊谷竜太、
広報部長 佐々木俊二
対 象:高校生
イベント目的:
進学を考える高校生を対象に大学・短大・専門学校を選ぶ視点だけでなく、社会に出ることを意識させ、キャリアという視点から進学先を考えさせるイベント。
概 況:
会場来場者人数は2092名であった。主に宮城県内の高校、一部岩手県の高校からの来場もあった。その他、保護者の来場が少数見られていた。
社会人アドバイザーコーナーは、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士および看護師など7職業団体より参加があった。
学校個別相談コーナーは、大学・短期大学、専門学校、その他、全部で107校の参加があった。企業コーナーでは7企業より参加があった。
作業療法士のブースに来た高校生は12名であり、一昨年参加時と同様の来訪者数であった。
来訪者の内訳は、学年:2年生8名、3年生4名 性別:男1名、女11名 12名全員宮城県内の高校生であった。来場者には、広報グッズ(クリヤーファイル、エコバッグ、折り紙、蛍光ペンを配布した。
 ブースに来た高校生の主な質問内容は、作業療法士とはどんな仕事か? 理学療法士との違いは何か? 養成校の大学と専門学校との違いは何か? 国家試験は難しいか? 作業療法士になるために学ぶ教科にどんなものがあるか? 難しい教科はあるか? 高校で学ぶどんな教科が役に立つか? 作業療法士が働く場所はどんなところがあるか? 病院以外ではどんな場所で働いているか? 養成校を受験するためにはどんな勉強したらよいか? 給料は見合っているか? などであった。
 アドバイザーとして参加した感想は、ブースに来た高校生にいかに作業療法が魅力的な職業かわかりやすく説明することに苦心した。しかし、改めて自分にとっての作業療法を振り返る機会ともなり、貴重な体験になった。

②仙台市障害者スポーツ協会主催「パラスポ仙台」活動報告

国立病院機構宮城病院 佐藤 好

 
 
 平成28年に宮城県理学療法士会、宮城県作業療法士会、宮城県言語聴覚士会の3団体により構成される宮城県リハビリテーション専門職協会が発足致しました。リハビリテーション専門職協会として昨年度より、宮城県作業療法士会からは計7名が仙台市障害者スポーツ協会主催「パラスポ仙台」に参加しております。「パラスポ仙台」とは障害児・者が対象のパラリンピック競技10種目の体験会です。今年度は8月17・18・31日、9月15・16・23日の計6日間開催されました。今まで体験したことのない競技や、自分の可能性にチャレンジする絶好の機会となり、また各競技団体においては選手を発掘する場となりました。私たちリハビリ職は体力測定や身体の使い方や車椅子のフィッティングについてアドバイスを行い、体験者のチャレンジをサポート致しました。中には、体力測定や種々の競技の体験で「初めてやった」「できると思わなかった」との声が多々聞かれました。障害の種類も様々で、知的障害・脳性麻痺・先天性や後天性の障害と日頃臨床場面で触れる機会の少ない障害の方も多くいらっしゃいましたが、障害のある方々が如何にスポーツを含む新たなことにチャレンジする機会が少なく、学校体育の授業等では見学を強いられる等の制約を受けているかを実感しました。体験者の中には、体験された競技団体に所属し、競技を継続して取り組まれている方もいて、宮城県のパラスポーツの発展、またリハビリテーション職の新たな活躍の場が広がることを嬉しく思いました。
 また、他の作業療法士や理学療法士、障害者スポーツ指導員の方と交流しながらの活動は、大変有意義な時間となりました。私たち作業療法士は、対象者の「生活」へアプローチすることが大きな役割だと思います。スポーツは趣味・生き甲斐・仕事・交流の場と成り得る生活の一部です。専門的な競技知識だけではなく、競技に行き着くまでに立ちはだかる壁へのアプローチは私たち作業療法士が得意とする分野ではないでしょうか。是非、臨床以外の活躍の場として多くの作業療法士がパラスポーツに関わって頂けるよう、今後も継続して参加したいと思います。
パラスポ1
パラスポ2
パラスポ3

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