宮城県作業療法士会

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県士会ニュース vol.152 2021.10.18

2021.10.18

東京パラリンピック2020に参加して

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① 東京パラリンピック2020に参加して … 国立病院機構宮城病院
佐藤 好

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①東京パラリンピック2020に参加して

国立病院機構宮城病院 佐藤好

2015年より東北身体障がい者水泳連盟で技術支援員として携わってきました。日頃は作業療法士として病院勤務をしながら、休日に水泳指導や選手の発掘、大会ではクラス分け委員として活動しております。今回、コロナ禍ではありますが、東京パラリンピックに参加させて頂きましたので、ご報告させて頂きます。

2021年8月24日に東京パラリンピックの開会式からはじまり、22競技が各会場で開催されました。翌25日から9月3日までの10日間、東京アクアティクスセンターでは競泳競技が開催され、私は8月21日よりスポーツアシスタントとして参加しました。配属はSport Information Deskで、競技に関する情報を取り扱う総合案内です。各チームへの配布物用ピジョンボックスの管理、リレーオーダーや抗議用紙対応、遺失物対応、各タイムスケジュールの周知やタクシー乗り場の案内等、窓口に来られた方に対応する業務でした。日頃、国内で活動しておりますが、パラリンピックとなると規模が異なります。全74の国と地域、600名を超える選手の参加でその規模と迫力に圧倒されてしまいました。日本語はもちろん、英語も通じない国も多く、対応に苦慮しましたが、本当に世界中から集結しているのだと実感しました。また、コロナ禍の中の大会でしたが、感染予防は徹底されており、全てのチームが協力的だったことが印象的でした。

そして作業療法士としては、今まで臨床で診たことがない様々な障がいや装具の数々はとても刺激的でした。両上肢切断の選手のスマートフォンの操作の速さ、下肢切断の選手が電動キックボードでの移動や義足歩行の滑らかさ、全盲の選手の階段移動のスムーズさ、臨床で型にはまりきっていた私には衝撃的な毎日でした。また、世界中からリハビリ職も多く帯同し、日本人スタッフも経歴は様々で、OT/PTはもちろん、水泳コーチ、支援学校教諭や障がい者スポーツセンター職員、福祉センター職員等、様々な業種の方との交流も貴重な機会となりました。

帰宅後は自宅待機期間やPCR検査を終えた後、職場復帰しておりますが、得たことを臨床現場でも活かしていきたいと思っております。今回、東京パラリンピックに参加させて頂き、「競技」としてだけではなく、OTがアプローチできることは本当に日常に溢れていると実感しました。それは病院、施設、地域に留まらず、スポーツという分野においても同じでした。東北ではまだまだOTでパラスポーツに携わる方が少ないですが、得ることが本当に多い分野ですので、是非多くの方に興味を持っていただきたいです。

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