宮城県作業療法士会

お知らせ

県士会ニュース138号 2016.3.1

2016.03.01

目次

① 県士会活動への誘い … 大貫操
② 新理事紹介 … 伊藤智之
③ 新理事紹介 … 山田孝弘
④ ◆職場紹介◆ エバーグリーン病院 … 長谷亜哉
⑤ ◆つぶやきコーナー◆ 「いろんな意味で日々モヤモヤ?!!」 … 仙石健治
⑥ ◆イクママより◆ 丸山美希

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① 県士会活動への誘い

 

副会長 大貫操

宮城県作業療法士会の理事になって約13年。副会長を拝命して3年が経過しようとしている。最初は県士会がどんな役割を担っているのかもわからずに、先輩の皆さんのサポートをする事しかできなかった。既存の組織に対しても方向性にも疑問をもつ事もできなかった。若い作業療法士のために貢献できる事、県民に作業療法を身近に感じてもらうこと、が理事の仕事を引き受けたときのテーマだったので「できることをやる」のが私のスタンスだった。
新人時代を考えると、養成校を卒業して、札幌に就職したが、先輩に引っ張りだされて新人でも士会の仕事をするのは普通の事だった。何もできないと思っていても、指導してもらってできる事はあるし、他病院・事業所に知り合いが増えていく事で、仕事の悩みが解決したり、多くの知識を得たり、いいきっかけをいただき、たくさんの先輩に育てていただいたと思う。
仙台に戻っても同じく、理事を続けるうちにできたネットワークは、OTとしての仕事をいつも助けてくれた。地域で仕事をする事が多かったので、対象者の望む生活の実現に、幅広く支援を提案できたり、必要な人に繋ぐ事ができたり、OTとしての知識技術は格段向上したと思っている。すべての仕事において必要な事であるが、OTの仕事にはネットワークが重要だと思う。
県士会の目的は、緑色の表紙の定期総会議案書の後半にある「定款」の第3条を見ていただきたいが「県民の保健・医療・福祉の充実及び向上に寄与するため、作業療法士が学術研鑽、技能の向上に努め、リハビリテーションの普及発展を図る事を目的とする」となっている。県内で働くすべてのOTのみなさんに県士会活動に協力いただかなければ、この目的は達成できない。
個々人がその領域において作業療法士として確実に成果を上げる事、関わる人の役に立つことが、作業療法の最高の広報=啓蒙につながる。時に自分の仕事を、客観的に、そして俯瞰してみることは大事な事だ。本当に成果を上げられているのか、他者にどのように伝わっているのか。その作業が、きっと県士会の仕事に関わる事でできると思う。県民のために何ができるのか考え、今OTに求められている事は何かを知りながら県士会活動をやって行く中で、OTの立ち位置を知る事が多い。
皆さんも県士会活動の中で試行錯誤してみませんか?今は職場での仕事に忙しく何もできないと思っている方、チャレンジすると悩みが解決される、新しい知識が増える、たくさんの新しい先輩ができる等々のメリットもあります。
「いつもあなたのそばに作業療法士」。これから数十年後の未来にもOTの活躍の場が広がっていくように、県民にとって身近な職種となるように、皆さんの力を貸して下さい!

 

② 新理事紹介

 

長町病院 伊藤智之

こんにちわ、長町病院の伊藤です。平成27年5月より、宮城県作業療法士会の理事をさせていただいています。私が当士会へ入会したのは2003年だったと記憶しています。それまでは他の士会を2ヶ所ほど渡り歩いてきました。
長町病院と聞くと回復期病棟というイメージが強いかもしれませんが、当院では訪問リハと通所リハにも関わっており、私も一昨年より介護部門で仕事をさせていただいています。昨年の介護報酬改定では、新しい書式や運用を考えたりと忙しい日々だったと思い出します。
話は戻りますが、私は6年ほど前に仙台南・名取ブロックのブロック長をさせていただきましたが、ブロックの主となる目的として、地域での会員同士の繋がりを作るという事でした。その事により患者様・利用者様が急性期から生活期まで円滑に移行できるだろうと考えていました。地域での横の繋がりが増えるようにと、ブロックの活動として、定期的な症例検討、また時期別アプローチの症例報告、そして懇親会など行ってきました。その甲斐あって繋がりができてきたと思いますが、当ブロックに在籍しているOT数から考えると参加会員が少ないのが現状です。
今後、さらに横の繋がりが増えるよう、県士会やブロックでの活動を支援していきたいと思っていますので宜しくお願いします。県士会の中には経験が豊富な先輩やある事が得意なOTも沢山いますので、ぜひ士会での人脈を増やし、楽しくそして作業療法士が活躍できる場を皆さんで増やしていきましょう。

 

③ 新理事紹介

 

西仙台病院 山田孝弘

県士会の皆様、はじめまして。今年度より理事を務めさせて頂いております山田と申します。
私はこれまで身体・精神障害、医療・介護保険を問わず、様々な領域・分野にて業務を行ってきました。現在はIMSグループ 医療法人財団 明理会 西仙台病院にて主に老年期障害分野にて臨床に携わっており、平行して研修会の講師や一般の方に作業療法を普及・啓発する活動を行わせて頂いております。
私には夢があります。それは「どんな障害、どんな問題にも対応出来る幅広い専門性をもった作業療法士」になることです。私が作業療法士としてのキャリアを始めたころに比べ、現在はその活躍の場は間違いなく広がっており、同時に求められるものもより多様化していると感じています。また、作業療法士はその対象となる方の可能性を引き出し、希望ある未来に繋げてくれる素晴らしい仕事だと思います。そのような観点から県士会のお力になれるように、また皆様に少しでも貢献できるように理事の業務を全うしていきたいと考えております。
これからも皆様にお会いする機会が多いかと思いますので、その際気軽に声を掛けて頂けると嬉しいです。是非今後とも宜しくお願い致します。

 

④ ◆職場紹介◆ エバーグリーン病院

 

長谷亜哉

【病院紹介】
<診療科目>一般精神科外来
<病床数>精神科療養病棟:100床(2病棟) 認知症治療病棟:100床(2病棟)
<デイケア定員>重度認知症患者デイケア:50名
<リハスタッフ数>作業療法士(常勤)7名  (非常勤)1名
理学療法士(常勤)1名
<OT業務内容>精神科作業療法、生活機能回復訓練、デイケアでのOT提供
<リハ対象疾患>認知症(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体性認知症、前頭側頭型認知症 他)、脳血管疾患後遺症、廃用症候群 など

【リハビリテーション部の紹介】
当院では、認知症の方の主体的な生活の実現や住み慣れた場所で生活を続けられるよう、入院部門・通所部門において支援を行っております。
入院部門は4病棟(各50床)あり、病棟ごとにさらに12~13名単位で4つのユニットを形成しユニットケアを行っています。認知症治療病棟では50名に対しOT1名が、精神科療養病棟では50名に対しOT2名が担当とし配置されています。
その中で認知症治療病棟においては、多職種による生活機能回復訓練の動きの中で、CWやNrsなど他職種と情報収集を積極的に行いながら日常生活動作の中での支援方法(基本動作、ADL動作、余暇時間の過ごしかた等)を発信するなど対象者の生活時間のマネジメントを行うことや活動性の向上、生活リズムの構築を目的としユニット内外での集団体操等の活動提供を行っています。病棟を超えた他者交流の場や役割活動の提供を目的とし院内喫茶「あおば」という喫茶店の運営を行い、その方の能力や役割としてできることを多くの方に知ってもらったり、他の方に役立つことができることを体験してもらったりする取り組みも行っています。また今年1月からはPTも配属になり、認知症患者リハビリテーション料での関わりも開始しました。精神科療養病棟においては活動性の向上、生活リズムの構築を目的とし1~2ユニット単位での集団体操や小集団活動(創作活動、運動クラブ等)等を行っています。また必要に応じてROMexや歩行練習、ポジショニング等必要な個別練習等も行っています。
通所部門では定員50名に対し2名のOTが配置され、毎日20~30名の対象者が利用されています。デイ利用時間を心地よく過ごす事で帰宅後も穏やかに過ごせるよう他職種職員に情報発信しながら支援を行っています。医療保険下で運営されるデイですが、介護保険サービスと併用される対象者がほとんどである為、それらのサービスの利用状況も踏まえながら家族様の介護負担軽減に向け情報提供も行っています。また昨年10月より当院周辺地域を対象とした認知症カフェ「てらおかふぇ」を開催し、地域住民の認知症への理解を深めることや認知症の方を介護する家族を支援していく取り組みも始めています。

職場紹介エバーグリーン病院

 

 

 

 

 

 

 

⑤ ◆つぶやきコーナー◆ 「いろんな意味で日々モヤモヤ?!!」

 

涌谷町町民医療福祉センター 仙石健治

先日(11月初めだったかな?)、広報部のHさんからの久しぶりの電話があり、何かいい話かと思いきや内容は何と「原稿依頼!!」。他からの依頼なら即答で断るところをHさんからの頼みでもあり、今回も快諾(笑)。いろんな人に「言いたいこと」「書きたいこと」は沢山ありすぎて、何を書くか悩んでしまった(心の中ではモヤモヤ感がいっぱい!!)。
まずは最近の近況を報告しよう。私の身体的な変化としては、目は近眼・老眼、耳はやや難聴。大分前に訪問リハ勤務時に捻挫した右足関節が、天気・疲労で時々痛む。肩は交互に五十肩でほぼ年中痛く、腰痛も再発。12月初めには仕事中に肋骨にヒビが入り、完治しないままの年越し。そして元日から風邪を引き、仕事始めはかすれ声。そして、完治するのに1か月もかかってしまうありさま(ん~年を取った感じがするなあ)。気が滅入りながらも担当ケースとはしっかり向き合っている。
この原稿の依頼があった後にやっと担当ケースが減り、その他の業務も一段落して気分的に少しほっとしていた。だが、そんな状況はそう長くは続くはずがなく、東北厚生局の監査、地区の在宅医療に関する懇談会、今年度の実績の検証、来年度の計画など年明けからバタバタした日々を送っている。春から秋までずっと担当ケースが多い中で、学生指導、管理業務、他部署との調整、上司との打ち合わせ、各種会議等々。10年前なら難なく複数の課題を処理できていたことだが、徐々に処理能力スピードも遅くなり、忘れることもたびたび(ため息の連発)。しかし、中堅以上のOT、PTがしっかり役割を果たしてくれているので、いつも助けられている。・・・スタッフに恵まれているなあと常々感じている(感謝!感謝!!)
当施設は複合施設で行政の仕事や外部の関係機関との関わりも深い。このような環境の中で、私たちは常にリハビリ専門職としての「プロ意識」を持って、患者・住民に接している。そのためには、OTとしての基礎知識以外に、「自分で考える」「主体的に学ぶ」「失敗して次に活かす」「自ら聞いて覚える」「その場の空を読む」「周りのスタッフへの気遣い(協調性含め)」などの姿勢・態度・行動が必要である(このことは、いつも実習生に言っていることでもある)。
みんなも一度、今の自分の「OTとしての仕事」「行動」を見つめ直してみてはどうか?
私もこの原稿を書きながら過去を振り返り思ったことは、患者・利用者・住民のため、地域のため、職場のため、若いリハスタッフのために、もう一踏ん張りしなきゃいけないなと思ったことである。
今回はこのあたりで「ぼやき」でもあり、「つぶやき」を終わりにしておこう。まだまだ「言いたいこと」はたくさんあるが、また機会があったら書くことにしよう。

 

⑥ ◆イクママより◆

 

東北薬科大学病院 丸山美希

東北薬科大学病院に勤めている4年目の丸山と申します。現在駆け出しの新米ママです。妊娠中は特にイクメン・イクママのページを見ることを楽しみにしていましたが、自分が書くとなると何を書いたらいいのか迷ってしまったので、子供が産まれてから感じたことを書いてみました。
私は昨年の秋に長女が産まれました。出生時、少し小さく産まれた娘は一時保育器に入っていました。現在は体重も倍になり、首もすわり寝返りの練習に意欲的でどう寝返ろうか試行錯誤の毎日のようです。私も体を誘導したり、おもちゃで気をひいたりしてまるでリハビリしている感覚になって過ごしています(笑)。
育児のことは決して甘く見ていたわけではないけれど、数時間置きの授乳、オムツ交換、寝ぐずり、理由もわからないぐずぐず…自分の生活リズムが一変し産まれてすぐはその生活に慣れることと育児で精一杯でした。育児書通りにいかない育児に追われ、退院後1ヶ月は正直“育てる”ということに必死で自分の子供という実感は湧かない時期だった気がします。
それでも娘は成長していきます。少しずつ出来ることが増え、生後3ヶ月になる頃には私に微笑みかけてくれるようになりやっと母としての実感が湧いてきました。子供が笑顔を見せると今までの大変なことは帳消しになるとよく聞きますが本当にその通りでした。
産休をいただいてから半年が経とうとしていますが、日常生活に作業療法はありふれてるなと職場を離れてから特に実感することが多くなりました。娘が産まれ私は母という新たな社会の役割を獲得しました。また、娘もこの世に産まれ日々学び“ヒト”としての役割を模索中です。妻であり、母であり、職員でありそれぞれの立場は違うけれど社会を形成し、環境に適応するように生活しているのだと思います。
私も育児をしているからか最近ニュースや、ドラマで出産・育児の話題がよく目にとまるようになった気がします。それぞれ環境や生き方が異なり本当に子育ては十人十色だと実感します。娘と一緒に生活していく中で今度は母としての観点を取り入れたOTが復帰後に行えるよう、娘の成長に置いて行かれないよう育児に今日も奮闘しています!

編集後記

今号のトップ記事、県士会活動への誘いに通じますが、私は縁あって(先輩に誘われて)1年目から広報部に所属しています。今年度は7年目でした。7年間の県士会活動を振り返ってみると、誘われて始めたものではありましたが、次第に自分の役割だという自覚が生まれ、取り組む中での経験が、自分を成長させてくれたと思います。まだ、絶やさず発行することに精一杯で失敗も多いですが、原稿作成へのご協力をしてくださる方への感謝の気持ちを忘れずに取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。川勝

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