宮城県作業療法士会

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県士会ニュース147号 2018.7.21

2018.07.21
県士会ニュース

目次

① 平成30年定期総会開催報告 … 畑中一枝
② 宮城県作業療法士会認知症カフェにおける 取り組みのご紹介 … 荒谷里美
③ 「3領域(医療・介護・障害福祉)リハビリテーション 関連報酬改定研修会」を振り返って … 三浦晃
④◆つぶやきコーナー◆
「広報部の活動」… 佐々木俊二

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①平成30年定期総会開催報告

事務局長 畑中一枝

 平成30年5月27日(日)に、宮城野区文化センター パトナシアターにて定期総会を開催いたしました。平成30年5月25日現在での有議決権会員数は872名。委任状による有効回答数441名、総会出席者105名(内、理事・監事13名)計有効数546名でした。
 昨年度までは、前年度の事業報告(活動報告、収支決算報告、監査報告)を議案として取り扱っていましたが、他の法人での実施状況も確認し、報告事項として議決をうける対象から外させていただきました。理由としましては、これまで総会議案書の本体に収支決算書、監査報告(監事意見書)を印刷として間に合わせるためには、年度末決算を早めに締めるなどの対応が必要で、年度末の活動が行いにくいとのデメリットがあったためです。今回、事業報告を報告事項とすることで、決算の締め、監事監査の実施をゆとりを持って行うこととし、収支決算書、監査報告(監事意見書)については、HPへの掲載、及び総会当日に別刷り資料として配布させていただきました。今後もこの方式で対応していくこととしておりますのでよろしくお願いします。
 平成30年度は会員数が900名を超えるものと予想しております。会員数の増加に伴い、様々な事務的な管理も増えていきます。また、会の運営規模が大きくなるとともに社会情勢の変化もあり、専門職団体として、他団体や行政からの作業療法士の派遣、推薦の事業も増えております。その調整や派遣のための人材育成なども近年課題としており、今年度の活動方針も「地域包括ケアシステムに対応できる作業療法士の育成と県および市町村からの作業療法士派遣のニーズに応えられるような基盤を整えていく」ことを掲げております。
 理事会でも今後の会の運営についての中長期的なビジョンの策定も整えていくことで進めていく所存です。
 定款で掲げているように宮城県の作業療法士専門職団体として、「県民の保健・医療・福祉の充実及び向上に寄与する」こと、「リハビリテーションの普及発展を図ること」を進めていくためには、会員一人ひとりの協力と「学術研鑽、技能の向上」の意識が必要です。今後も、会の発展のためにともに活動をしていきましょう。

 
 

② 宮城県作業療法士会認知症カフェにおける 取り組みのご紹介

一般財団法人 広南会 広南病院 荒谷里美

○認知症カフェとは?
 皆さんは、「認知症カフェ」をご存知ですか?
 はじまりはオランダの「アルツハイマーカフェ」で、日本では「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」7つの柱「Ⅳ.認知症の人の介護者への支援」に位置付けられており、「認知症の人やその家族が地域の人や専門家と相互に情報を共有し、お互いを理解し合える事」を目的として、全国各市町村での設置が推進されています。宮城県においても、各地区で様々なタイプの認知症カフェが設置されています。

○仙台市の認知症カフェ
 仙台市では様々なタイプのカフェが開催されています。
 「行きやすい所へ気軽に行けるように」と、仙台市では市内各団体から寄せられた情報をもとに3つのタイプに分類したカフェ一覧表(表1)をホームページで公開しています。

図

○宮城県作業療法士会が参画しているカフェ「安心オレンジネットin太子堂」
 平成27年、認知症の人と家族の会代表者様(当時)より県士会へ協力のご依頼を頂き、平成28年1月より協力スタッフとして参加しています。県士会員に向けて協力を呼びかけ、名乗りを上げて下さったOTで「OTオレンジ支援チーム」を結成しました。その後も、見学を通してチーム員となって下さった方も含めて、現在10名のOTが毎月交替でカフェに参加しています。概要は下記の通りです。

【開催日時】毎月第2土曜日(13時~15時)
【場所】みやぎ生協太子堂店 集会室(仙台市太白区諏訪町1-1)
【運営スタッフ】○代表者(「認知症の人と家族の会 宮城県支部」前代表)
○つばさ薬局長町店 薬剤師
○宮城県作業療法士会 作業療法士 (10名)
※その他、月のテーマに応じて専門職・団体に講師や協力を依頼
【特徴】○仙台市「認知症カフェタイプ」に分類されているカフェです。
○「認知症カフェタイプ」に分類されているカフェではありますが、近隣に住んでいる元気な高齢者の方々が、毎月多く参加して下さっています。
○「地域の高齢者が安心して暮らせること」を目的に、高齢者が抱えている(または今後抱えるかもしれない)課題をテーマとして取り上げ、講話や実習、体操などを行っています(図1.「安心オレンジネットin太子堂 年間スケジュール」参照)。「認知症」は高齢者が抱える問題の一つとして捉え、毎月「認知症ミニ講話」として取り上げています。カフェに参加して下さっている元気な方々から少しずつ認知症理解を広めていきたいと考えています。
○毎月テーマに沿って、様々な専門職に講師を依頼しています。OTも講師役としてお話をさせて頂いたり、自宅でできる体操の紹介などをさせて頂く機会があります(私たちにとっても、とても勉強になっています)。参加者同士が自由に語らい、交流から互いに学びあえる場となる事を目指して取り組んでいます。

オレンジネット

図1.「安心オレンジネットin太子堂 年間スケジュール

○5月も参加してきました!
 5月12日(土)は、安心オレンジネット代表者さん、近隣の薬局薬剤師さん、OT支援メンバー5名と、見学の方でOT4名にもお越しいただき、「認知症ミニ講話~認知症は予防できるのか?~」、「自宅で簡単に出来る転倒と認知症の予防、実践で学ぶ」の二本立てで、講話やバランス評価、体操の紹介などをさせて頂きました。地域住民の方は14名(男性4名、女性10名) が参加して下さり、真剣に講話を聴いて下さったり、体操を行って下さっていました。バランス評価では「意外と難しいね!」などの声も聞かれ、ご自身の身体の状態の気づきに繋げられたのではないかと思います。講話の合間には、参加者の方々で和気あいあいとお話しする様子もあり、とても和やかな雰囲気のカフェとなりました。

○カフェを通して「地域づくり・地域高齢者の方の支援」に携わってみませんか?
 「安心オレンジネットin太子堂」は、随時見学が可能です。また、支援チーム員となって下さる方も募集しています。チーム員が増える事で、毎月交替でカフェに参加し、切れ目のない支援ができるようにしていきたいと思っています。ご興味を持っていただけた方は、ぜひ、見学にいらしてください!(見学をご希望の方は、下記問い合わせ先までご連絡ください)

問い合わせ先:一般財団法人 広南会 広南病院 
リハビリテーション科 荒谷(gc832532※xb3.so-net.ne.jp)※→@に変換
 

転倒予防体操の場面

県士会ニュース 写真1
 
参加者の方々での語らい場面

県士会ニュース 写真2

 
 

③「3領域(医療・介護・障害福祉)リハビリテーション関連報酬改定研修会」を振り返って

企画管理局 地域支援部 三浦晃

 去る5月19日、日立システムホール仙台にて、地域支援部主催の「3領域(医療・介護・障害福祉)リハビリテーション関連報酬改定研修会」を開催し、大ベテランから新人層まで総勢45名のご参加をいただきました。平成30年度の改定は、平成24年度以来の診療報酬、介護報酬の同時改定に加え、障害福祉サービス等報酬の改定が重なったトリプル改定ということもあり、年代別では役職者から新人層まで、領域別では教員や行政の方々までと実に幅広い顔ぶれが集いました。
 聞くところ、当士会での報酬改定関連の研修会はこれが初めてとのことで、この企画・運営に携われたスタッフ一同光栄に感じております。一方で、この企画・運営には様々な工夫や配慮の必要性も感じました。今回の一番の課題は、5月中旬開催(改定内容の公表から数ヶ月経過しての開催)の利点を活かしきれなかったことです。具体的には、各領域2時間というタイトなタイムテーブルのため、分野ごとの要点をかいつまんだ内容が主となり、改定に対応した実践紹介が少なかったことです。また、役職者から新人層まで幅広い顔ぶれだったため、アンケートも、「すでに改定内容は読み込んでいるためもっと実践部分を聞きたかった」「(一人職場なので)(少数職場なので)(経験が少ないので)基本部分から説明してもらえてありがたかった」など聞きたい点にも幅がありました。こうした点に対応すべく、当士会ホームページに改定に関する質問バナーを用意させていただきましたので、是非ご活用ください(7月末まで)。
 尚、こうした課題を受けて、やがての報酬改定関連の研修会では、まずは3~4月に改定内容の概要を行い、追って5~6月に改定に対応した実践紹介をするなど、2部構成での開催もよいのではないかと考えております。
 いずれにしろ、このような改定があった際に、解釈や実践に悩んでいる会員、一人職場や若い方々のみの職場で試行錯誤している会員…こうした方々にしっかりと手を差し伸べ、支援していける士会でありたいと思っている次第です。
 
 

④ ◆つぶやきコーナー◆

「広報部の活動」

川崎こころ病院 佐々木俊二

 昨年度より事務局担当理事を行っております。佐々木です。このたび、前広報部長の他県への移動に伴い、広報部長代行を務めさせていただきます。広報部は、以前に広報部長を務めておりましたので再任ということになります。どうぞよろしくお願いいたします。
 広報部の活動は、県士会ニュースの発行や県士会ホームページの運営、作業療法や県士会の啓発活動と主に3つに分けられます。活動内容は、県士会が取り組んでいる事業を県民の皆様に知っていただくことで作業療法を知ってもらい、作業療法士の活用を促進すること。また、県士会員へ情報を発信し会員同士の交流や情報交換の場を作ることなどが挙げられると思います。
 これからの課題は、情報発信の媒体がインターネットを活用することにより、より不特定多数の人たちに発信されること、会員同士の情報交換もインターネット上のツールを媒体とすることにより質的に変化しているので、現状にあった方法を考えることだと思います。
 作業療法士は、患者様や地域の方に直接作業療法を提供することが本来の職務となります。しかし、広報活動は作業療法の啓発という側面からアプローチすることになります。
 インターネットや啓発イベントなどへの参加に興味のある方、ぜひ一緒に活動してみませんか。また、「ホームページに職場紹介を掲載したい」「つぶやきコーナーに記事を書きたい」という方ぜひご連絡ください。

 
 
編集後記
 4年に一度のサッカーのワールドカップがあり、寝不足になられている方も多いのではないでしょうか?私はにわかファンですが、日本代表の試合をテレビで観ながら一喜一憂していました。そんな中での連日の猛暑なので、体調管理も気をつけなければと思っています。
皆さんも水分補給や休息をしっかり取りながら夏を楽しく過ごしてください! 菅原

県士会ニュース146号 2018.2.22

2018.02.22
県士会ニュース

目次

① 平成30年の念頭に寄せて … 道又顕
② 地域支援部の「これまで」と「これから」… 三浦晃
③◆つぶやきコーナー◆
「35年の作業療法に感謝!宮城県作業療法士会に感謝!!感謝!!!」… 本地光弘

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①平成30年の念頭に寄せて

会長 道又 顕

 新年明けましておめでとうございます。遅い新年のご挨拶となりますが、旧年中は会員の皆様に多大なご協力をいただき誠にありがとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
 平成30年は診療報酬と介護報酬の同時改定となります。診療報酬は2年、介護報酬は3年に1度の改正となり、今年は6年に1度の同時改正となります。この文章を書いている時はまだ大きな声で色々とは言えませんが、このニュースが出る頃にはリハビリテーションに関する内容も少しずつ具体的に分かってくると思います。また、障害福祉サービス等の報酬の改定もあり、社会保障費の抑制の程度が気になります。県士会としては4月早々にも会員向けの報酬改定についての研修会を開催する予定です。
 昨年は作業療法フェスタを開催しました。広く県民に作業療法を知ってもらう一つのきっかけとして今年度も開催する予定です。また、地域包括ケアシステムへの取り組みに対しても昨年度と同様に今年度も積極的に取り組んでいきたいと考えております。今後とも会員の皆様のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 
 

② 地域支援部の「これまで」と「これから」

企画管理局 地域支援部 部長 三浦 晃

 ずいぶんとカッコつけた文面で顔が赤くなった。でも、そんな恥ずかしさとともに、地域支援部のメンバーに“ありがとう!”を、そして、あの頃の自分に“ちゃんとぶれずにやってるぞ!”と声を掛けていた。…このたび、地域支援部の部長として執筆依頼をいただき、以前に書いた県士会ニュース(Vol.139)を読み返したときの心の中である。
 平成27年度の半ば、当士会において、県内の各市町村における地域包括ケアシステム構築に貢献すべく、地域支援班が発足した。平成28年度を迎えるにあたってメンバーを募り、「A:地域包括ケアシステムおよび地域ケア会議参画推進チーム」「B:介護予防・日常生活支援総合事業参画推進チーム」「C:認知症の人の生活支援参画推進チーム」「D:生活行為向上マネジメント推進チーム」の4チーム制のもと、新人層からベテラン層までの総勢45名で各々の活動に取り組んだ。平成29年度からは地域支援部となり、引き続き4チーム体制のもとに、地域包括ケアシステムに貢献できる人材育成のための研修会体系として「研修会システム」を創設し、1年がかりで実施した。また、この人材育成と並行して各市町村の地域支援事業に作業療法ニーズを作るべくPR活動に取り組んできた。もっとも大きな試みは、模擬的な自立支援型地域ケア会議を組み込んだ研修会に、各市町村の地域ケア会議ご担当者の参加を呼びかけたことだった。結果的に、県内の35市町村中、17市町村に加え、1保健福祉事務所の計20名の参加が得られ、行政の方々と一緒に、事例を通して自立支援に資するアセスメント、具体的な目標と支援策の検討、一般の方々にも分かりやすい表現での助言練習などを行った。
 こうした一連の取り組みを、「作業療法が必要とされる地域づくり」という平成28-29年度の2ヶ年戦略のタスクのもとに展開してきた。その一つの成果といえる市町村の声が私のもとに届いている。
 「先日参加させていただいた作業療法士の方々の研修内容がとても実務的で、多職種でともに重度化予防に向けた意識の共有化が図れると感じました。そこで、○○○(市町村名)では、重度化防止、自立支援に関する地域ケア会議を展開していくにあたり、自立支援の視点を学ぶ研修会を企画する運びとなりました。つきましては、この研修会の講師としてお迎えしたく…」
 「今後、自立支援型地域ケア会議の運営にあたり、定期的・継続的にアドバイザーとしてご協力いただきたく…」
 「先日の研修会で作業療法士の思考や支援方法を知ることができました。地域包括ケアシステム構築のために、前向きにご尽力されている姿や講師陣の大変分かりやすい講義を拝聴し、日々、自己研鑽と努力を重ねていらっしゃることを改めて知り、大変感銘を受けるとともに仕事の活力になりました…」
 …部員一人ひとりが公私に忙しく、ときに背丈以上の役割も課せられる中で、よりよい研修会にしよう、よりよい講義にしようと、ファミレスなどで自主的に打ち合わせする姿も見てきた。まるで国家試験前の学生のように、みんなで一つのことに向かって取り組む姿に胸を打たれた。この2年間、地域支援部員・地域支援協力員が時間と労力を積み重ねてきたこと、そこに研修会受講者の作業療法への想いが加わり、こうした成果に結びついたと捉えている。改めてこの場を借りて、関係した一人ひとりに最大級の「ありがとう!」を伝えたい。それと同時に、部長の責務として今後の展望にも触れておかなければならない。当時の県士会ニュース(Vol.139)で私はこんなことを綴っていた。
 「作業療法士以外の方々が、“作業療法”を理解し、自立支援の手段として求めるに至った背景は何だろう?まずは、この現象を紐解くことが大事だ。きっと、“作業療法”を実践できる作業療法士と出逢い、その効果を実感したからではないだろうか。言葉では伝わりにくい“作業療法”の魅力を伝えるには、実際に“作業療法”に触れていただき、その効果を実感してもらうことが大事ではないだろうか。地域包括ケアシステムの構築に作業療法士が貢献していくには、何にも増して、より多くの方々に“作業療法”に触れてもらうこと。これに尽きるのではないだろうか」
 …この考えは1ミリも変わってはいないが、次はこの考えを積極的に実践し、形に結びつけていく取り組みが必要である。昨今の施策・制度に目を移すと、「活動と参加」がキーワードとなっていることで、自ずと作業療法ニーズが作られたといっていい。しかしながら、全国や県内を見渡すと、作業療法ニーズが作られながらも作業療法士の参画が驚くほど少ない。つまり、作業療法ニーズが作業療法“士”ニーズに繋がっていないという課題が浮き彫りになっている。こうした背景を受け、「作業療法“士”が必要とされる地域づくり」「作業療法“士”が各市町村の自立支援のシステム作りに参画すること」を、地域支援部における平成30-31年度の2ヶ年の戦略のタスクとしたい。
 先輩作業療法士の方々が作ってきた道を今私たちが歩いているように、これからの作業療法士の道を作っていくために、地域支援部のみならず、士会員一人ひとりの力を少しずつお借りしながら取り組んでいきたいと思っている。「どうかこれからも皆様の力を貸してください!」

 
 

③ ◆つぶやきコーナー◆

「35年間の作業療法に感謝!宮城県作業療法士会に感謝!!感謝!!!」

東北労災病院 本地 光弘

 昨年の秋頃突然、メールにて広報部の担当者から県士会ニュース145号つぶやきコーナーへの原稿依頼がありました。そこで2018年(平成30年)3月31日もって現職場を定年退職する旨を伝え出来れば次の146号で何か「つぶやき」ますということで今回のこのコーナー参上です。
 私は、1983年(昭和58年)4月1日労働福祉事業団東北労災病院入職。宮城県作業療法士会には、7名の同期ともに1年前の1982年(昭和57年)に発足(会員数17名)したばかりの組織の一員となりました。会員数が少なかったこともあり全員が何かの役割(編集部、広報部、学術部、事務局)を得て県士会活動に参画所属していました。現在県士会会員数1000名に届こうとしています。今は、限られた会員の方々がたいへん頑張って宮城県作業療法士会を引っ張ってくれています。しかしみなさん。国家資格のある自分達の職能団体である宮城県作業療法士会の一会員として何らかの活動に参画し更に宮城県作業療法士会を盛り上げていきましょう!
 宮城県作業療法士会に入会時、私の上司が県士会事務局長職で自然の成り行きで事務局員となり会計担当をいつの間にかさせて頂き大先輩の作業療法士の先生方と行動を共にさせて頂きました。大変たいへん名誉なことでしたし勉強になり感謝しております。それから、理事(広報部長、事務局長、副会長)と監事を歴任させて頂き約30年間役員を務めさせて頂きました。お陰様で宮城県作業療法士会からの推薦により、2011年(平成23年)には日本作業療法士協会表彰。2016年(平成28年)日本作業療法士協会設立50周年では、厚生労働大臣表彰(作業療法業務功労者)を頂きました。宮城県作業療法士会のみなさまには、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
 話が変わりますが、昨年11月おじいちゃんになりました。孫っていいですね。自分の子供の子育ての時は、余裕が無く色々な変化(成長)を見逃していました。今回、孫をよく観察出来ているって感じです。成長って素晴らしいと思います。可愛いですね。これから老け込んでいく私は、定年後も毎日ではないですが作業療法士としての仕事をしながら今までの様に人に支えていただきながら感謝の気持ちをもってこれからの人生を全う出来ればと思っております。
 
 
編集後記
もうすぐ平成29年度が終わろうとしています。今年度は私にとっていろんな出来事があった1年でした。作業療法士として7年、その中で見えてきた課題に挑戦する良い転機となる出来事もありました。新たに取り組みたいことも見えてきました。この機会を無駄にせず、いろんなことに挑戦していきたいと思います。また、この1年間、私が最も大事にしてきた趣味を我慢してきました。やっぱり我慢のし過ぎは駄目ですね・・・来年度は趣味の活動を復活する予定です!これからは新年度に向けてますます忙しくなる時期になるので、皆さんも体調管理はしっかりとして、息抜きもしつつ、仕事もプライベートも充実した日々をお過ごしください。 佐藤美有紀

県士会ニュース145号 2017.12.11

2017.12.11
県士会ニュース

目次

① 福祉用具使ってますかっ … 今井卓馬
② 劇団酒季に参加してみて … 小野寺恭一
③ 新理事紹介
  ⑴ 県士会活動を担うことへの思い … 佐々木俊二
  ⑵ 宮城県内で作業療法士として働いて … 金澤聡
  ⑶ 地域で求められる作業療法士へ … 大塚英樹

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① 福祉用具使ってますかっ 第三報

「車椅子選定のプロセス」 「車椅子クッションの適合について」

福祉用具相談支援委員会 公立黒川病院 今井 卓馬

 去る、平成29年10月21日に仙台市シルバーセンターにて「福祉用具の日」記念イベントが開催されました。宮城県作業療法士会 福祉用具相談支援委員会としては三回目の参加となり恒例行事となりました。今回は、午前に「車いす選定のプロセス」、午後に「車いすクッションの適合について」の二題をそれぞれ、委員会メンバーが寸劇とスライドを交えながら行いました。
 当日の、参加者は作業療法士協会の方を中心に午前、午後合計で90名程になりました。
 寸劇の内容は患者さん、家族の要望を他職種連携で四苦八苦しながらも解決し、最適な福祉用具を選定していくというものでした。随所にユーモアを交えた喜劇方式で行い、参加した福祉用具メーカーの方によると、日頃体験する〝あるある〟ネタが満載で楽しかったとの感想を頂きました。また、福祉用具の選定方法を寸劇という手法で紹介するのは全国的にも大変珍しいとのことでした。
 当日までに何回も集まり「こんな風にしたら皆が喜ぶんじゃない?」「こうしたら分かりやすいんじゃない?」など構想を練り、衣装を準備しました。劇が始まる前の体験したことがない緊張感、終わった後の味わった事がない妙な疲労感。初めてづくしの体験でしたが、違う職場で働く県士会の方達と一つのモノを作り上げるのは本当に面白いな~と思いました。良い刺激を沢山もらえ、これまで以上に仲間意識が強まった今回のワークショップだったと思います!
 ご利用者、家族の方々のためにも、またこの様なワークショップを開催し、今後、県士会の方々と一緒に福祉用具についてお話できる機会があれば良いなと思います。 
 今回のシルバーセンターでの寸劇を皮切りに各ブロックを行脚して回るなんてのも面白いかもしれませんね。

 
 

② 劇団酒季に参加してみて

福祉用具相談支援委員会 石巻健育会病院 小野寺 恭一

 10月21日に開催された「福祉用具の日」記念イベントに、宮城県作業療法士会・福祉用具相談支援委員会で構成される“劇団酒季”の一員として初めて参加しました。ワークショップとして2部公演で「車椅子選定のプロセス」と「車椅子クッションの適合について」、OTの役割や関わり方について寸劇を行いながら説明をさせて頂きました。
普段何気なく行っている福祉用具の選定。歩行が困難な方にとって生活の一部となる車椅子、クッションの選定について、再度考えさせられる公演になったと思います。リハビリ関係者のみならず、業者様や一般の方にも見ていただき、たいへん好評であったと聞いております。OTとして福祉用具の知識を知っておくことは大切であり、それを患者様・ご家族様に適したものを提示・提供するのも重要な役割と考えております。今回の経験をもとに、必要とされる方に適切に提供できるよう取り組んでいきたいと思います。
最後に、福祉用具相談支援委員会では福祉用具に興味がある方や一緒に活動してみたいという方を募集しております。「わからない」、「難しいのでは?」と考えている方もいると思いますが、悩んでいるのであればまずは参加してみませんか?私も今年加入したばかりですが、今後も様々な活動を通して皆様と学んでいくことが出来ればと考えております。
福祉用具委員会
 
 

③‐⑴ 新理事挨拶 県士会活動を担うことへの思い

川崎こころ病院 佐々木 俊二

 研修会やブロック活動、委員会活動、学会の手伝いなどで県士会の皆様にいつもお世話になっております。このたび、宮城県作業療法士会 事務局担当理事を拝命いたしました。以前は、平成15年から平成20年まで広報部担当理事として県士会ニュースや、ホームページの運営など行っていました。今回は、広報部だけでなく事務局の仕事を担当させていただきます。事務局は、研修会や学会などを企画運営する部署と比べると目立たない印象ですが、県士会活動を下支えする重要な仕事だと考えています。いつも、研修会などを企画・運営する多くの方にお世話になっている分を少しでも返していきたいと思っています。とわいえ、まだまだ事務局の仕事を覚えられておりません。周囲の人たちに支えてもらっていることを自覚して、自分ができることを行いたいと思います。
 
 

③‐⑵ 新理事挨拶 宮城県内で作業療法士として働いて

仙台リハビリテーション専門学校 金澤聡

 雪もちらつき寒さも増してきましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。私はOTとして17年目になりますが、臨床の16年間は主に身体障害全般に関わらせていただき、一部は発達障害・精神障害の分野で関わらせていただきました。特に東北大学病院、栗原市立栗原中央病院では多くの高次脳機能障害の患者様と接する機会をいただきました。関わっていくうちに、高次脳機能障害の患者様・ご家族が困っている現状を知り、宮城県内での支援体制が不十分なことを感じました。そのため栗原では高次脳機能障害地域支援拠点病院として活動し、北部保健福祉事務所や栗原市の保健師さんや、数少ない支援施設のコロンブスさんと連携し、在宅・復職支援に取り組ませていただき、時にはジョブコーチと一緒に、患者様の職場訪問をしたこともありました。生活は一生続いていくため、シームレスな支援体制が必要であり、その中で作業療法士でなくてはできないことが多くあったと感じています。
今年度から教育の場に身を移し、仙台リハビリテーション専門学校で教員として働かせていただいております。長らく現場で患者様と接してきましたが、教員としては新人であり、日々勉強させていただいております。未来の作業療法士に胸をときめかせ、目を輝かせて学校生活を送っている学生の姿に力をもらい、日々過ごさせていただいております。
また、今年度から宮城県作業療法士会の理事として活動させていただき、こちらも新人として、日々勉強させていただいております。宮城県に来てからは11年になりますが、これまでの経験を踏まえて、会員の意見が反映されるように、また、スムーズに運営が進むように尽力させていただきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

 
 

③‐⑶ 新理事挨拶 地域で求められる作業療法士へ

せんだんの丘 ぷらすあらい 大塚英樹

 今期より、宮城県作業療法士会の理事を拝命しております、せんだんの丘ぷらすあらいの大塚英樹と申します。年齢の割に経験は浅く、理事の中では唯一、協会番号は2万番台です。まだまだ浅はかなところはございますが、若い(年齢ではなく、協会番号です)からこそできることを精一杯、やり遂げたいと思っています。
私は今、介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる総合事業の中で作業療法を実施しております。仙台市では平成29年4月から開始されました。全国的には数年前から動き出している制度ですが、私の周辺では理解が進んでいるとは言えない状況です。
一方、総合事業を含む地域支援事業という大きな枠組みには、作業療法士をはじめ、リハビリテーション専門職に、とても大きな期待が込められています。
今後、地域支援事業や総合事業は、少子高齢化が進むにつれ、需要が大きくなっていきます。会員の皆様においては、所属や居住地の保険者の動向に注目し、自らの作業療法が地域の方々にとって必要なものとなるよう、宮城県作業療法士会と共に切磋琢磨して頂きたいと思います。
よろしくお願いいたします。

編集後記
今年も残すところ僅かとなってきました。私の職場では、医療・介護保険同時改定もあり、来年度に向けてバタバタと動き出しています。当に、師走!本当は、のんびりと新年を迎えたい気持ちなのですが、そうもいかないようですね。今年は趣味でストレス発散方法でもある旅行で、草津温泉や八丈島に行きました。感染流行の時期でもあるので、上手いことストレス発散をしながら、免疫力を保たないとですよね。今度はどこに旅行に行こうか考え中です。皆さんも、感染に十分注意をし、良いお年をお迎え下さい。
広報部では部員を募集しています!ニュース作りや、広報活動に興味がある方はぜひご連絡を下さい!中山

県士会ニュース144号 2017.10.20

2017.10.20
お知らせ

目次

① 作業療法フェスタ2017「OTってな~に?」を開催しました … 大貫操
② 新理事紹介 自己研鑚の場としての県士会活動 … 渡部達也
③ ◆職場紹介◆安田博愛会 安田病院 … 中島薫里
④ ◆つぶやきコーナー◆「我が家に犬がやってくる」 … 首藤和弘

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① 作業療法フェスタ2017「OTってな〜に?」を開催しました

 

事業局長 大貫 操

OTフェスタ②

平成29年9月17日(日)、一番町藤崎横のアーケードで作業療法フェスタを開催しました。台風が近付いて、天気が心配でしたが昼過ぎまで雨も降らず、無事開催する事ができました。他にも多くのイベントがありましたので、人出が多かった連休の中日でした。

ステージの他、「作業療法紹介」「宮城県作業療法士会紹介」「作業療法写真展」「作業療法評価、しょうがい体験」「福祉用具体験」「作業活動(革細工)体験」のブースを、子供から高齢者まで様々な年代の多くの一般の方、作業療法を受けたという当事者・家族の方に、訪れていただきました。

「作業療法紹介」のブースでは作業療法や作業療法士養成等について知っていただく展示やパンフレットを利用して、来ていただいた方に説明しました。アンケートには「作業療法について今まで知らなかったけれど理解しました」と書いてくださった方が多く、OTを知っていただくきっかけになったと思います。

「作業療法写真展」では作業療法士と対象者の作業療法場面の写真を展示して、実際の作業療法を見ていただきました。生き生きとした表情で写真に写る当事者に、一緒に来た家族から「こんな事もできるようになったんだね」「元気になったね」とお話しいただいたりしました。

「障害体験」「福祉用具体験」ブースでは、高齢者体験スーツで不自由な身体を実感する元気な高齢者の方や、車椅子の操作や介助を経験する子供達、食事用自助具で豆つまみを頑張るお母さん等で賑わいました。車椅子や自助具はまだまだ身近でないこともわかり、その支援をするのが作業療法士である事を知っていただくきっかけになったと思います。
「作業活動体験」は150人ほどの多くの方に参加いただきましたが、開始からずっとコースターをスタンピングする木槌の音が響き、それに誘われて立ち寄る方も多かったです。作業活動を利用する目的などをお話しながら、作業を体験していただき、完成した作品を見る笑顔と、その様子を見ながら笑顔になる方々であふれていました。
ステージでは、後援いただいた、(一社)宮城県理学療法士会、宮城県言語聴覚士会からお話していただいたり、体操を紹介したりしていただきました。当事者の方に来ていただき、生き生きと地域で暮らす様子を伝えていただきました。OT劇団の上演も行いました。作業療法について音楽劇を通して楽しく知っていただく機会になったのではないかと思います。
初めてのフェスタ開催でしたので、不備不手際が多くあったと思いますが、多くの県士会員のみなさんの協力のおかげで、事故もなく大盛況で終了しました。300人ほどの方にご来場いただき、1500人ほどの方に作業療法について見る・知る機会を提供できました。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。心から感謝いたします。

次の作業療法啓蒙啓発のイベントはどういう形で開催するか、これから検討していきますが、県士会活動に関わった事のないみなさんに、是非参加していただきたいと思っています。一般の方に作業療法を伝える経験や職場の違うたくさんのOTと何かを作り上げる事等々、作業療法士に必要な様々な経験ができますよ!

OTフェスタ①

 

② 新理事挨拶 自己研鑽の場としての県士会活動

株式会社わざケア 代表取締役 渡部 達也

会員の皆様こんにちは。今期からまた理事を拝命いたしました渡部達也と申します

会員の中には県士会活動を面倒と思っている人も多いと思います。私も昔は「なんで仕事終わってから会議?土日は休みたい!」と、たぶん皆さんが思っていること同じように思っていました。しかし、県士会活動を続けることで、たくさん素敵な人たちと出会うことができ、またたくさんの経験を積むことができたことは、今は感謝でしかありません。5年前に会社を興すことができたのも県士会のおかげだと思っています。
ある成功者は言っていました。欲しい年収の10%は自己投資しなさいと。県士会活動はお金をかけず自己研鑽できる絶好の場所です。いろんな人と関わることで知識やスキルを上げられるだけでなく人間力も鍛えられ熱意ももらえます。考え方もしっかりしてきます。仕事に迷いがある時こそ県士会活動に首を突っ込んでみましょう。
最後になりましたが私は特設訪問リハ委員会の担当理事なのですが、組織力を上げるような管理職向けの研修会を企画できればと考えています。それでは任期の2年間よろしくお願い致します。

 

③ ◆職場紹介◆

安田博愛会 安田病院

 

中島 薫里

安田病院

【病院紹介】
・診療科目:精神科、外科
・病床数:精神科療養病棟104床(男子閉鎖52床、女子閉鎖52床) 一般病棟20床
・リハビリスタッフ数:作業療法士2名、アシスタント1名
・対象疾患:統合失調症、双極性障害、認知症、精神遅滞など
・職場の位置:仙台市宮城野区小田原二丁目2-40

【作業療法室の紹介】
安田病院は仙台のお花見の名所である榴岡公園のすぐそばにあります。当院の歴史は古く病院開設は明治時代(精神科開設は昭和31年)にまで遡ります。作業療法室(以下OT室)は平成21年の病院新築に合わせて開設された新しい部署です。
OT室の主な業務は各病棟にて行っている集団プログラム(病棟OT)の実施です。近年はより個別性の高いアプローチを目指し、小集団でのSSTや個別リハビリに特に力を入れて取り組んでいます。
当院では「生活をみるのが作業療法士」を合言葉に、精神機能面だけではなくADLや身体機能面にも着目したアプローチを行っています。当院では長期療養の方も多く、最近は高齢者の入院も増えています。「退院が近いが長期の療養で体力や歩行能力が落ちた」、「骨折治療後のリハビリをして欲しい」、「最近拘縮がすすんで食具が持てなくなってきた」などOT室に寄せられる声は多く、精神科病院のなかでADLや身体機能面にアプローチができる職種として作業療法士の果たせる役割は大きいと感じています。
スタッフ3名と小さなOT室ではありますが、私たちの出来ることを増やして対象者の方たちそれぞれに必要な作業療法を提供できるよう今後も努力していきたいと思います。

 

④ ◆つぶやきコーナー◆

「我が家に犬がやってくる」

 

東北文化学園大学 首藤 和弘

 我が家の長女は今ある専門学校に通っています。彼女が目指しているのはアニマルセラピーの専門家になること・・・。
高校3年の春までは何になりたいのか漠然としていましたが、動物と関わる仕事がしたいと思うようになり選んだのが今の学校です。学校では動物(主に犬)のトリミングや飼育の実習。犬や猫の体の構造や病気。車椅子の介助法などの介護の実習、動物に関連した法律なども勉強しているようです。
入学を決める前の学校見学会には娘と二人で参加し、動物に関連した様々な職種についての説明を受けました。全く知らない分野だったので盲導犬を訓練する専門家、動物看護師、動物美容師その他にも色々な専門職があることを知りました。入学体験授業体験はアニマルセラピー科の授業を体験し、その中でその学校の学生が老人施設の作業療法士と共同で施設の入所者に犬を使ったリハビリアプローチの実践を行っているということを聞きました。仙台市内の施設のようで、その場面の写真に一緒に仕事をしている作業療法士も写っていたのですが残念ながら誰なのかはわかりませんでした。
アニマルセラピーというのは日本の造語のようで、いわゆるアニマルセラピーには医療従事者が治療の補助として用いる動物介在療法(Animal Assisted Therapy, AAT)、これが作業療法士などと一緒に医療や福祉のなかのリハビリ活用されているようです。その学校の先生の話では対象者の方の歩行の訓練場面で平行棒の向こう側にかわいい犬が待っていて認知症のある対象者の方がその犬と触れ合うために頑張ってそこまで歩くとか、犬におやつをあげるためにおやつのジャーキーを不自由な手でちぎって直接犬にあげて手を使うことを促すなどの例を挙げておられました。今まで私がイメージしていたのは動物とのふれあいを通じた生活の質の向上を目的とする動物介在活動(Animal Assisted Activity, AAA)というものらしく、こちらは犬などの動物と触れ合って和むというものです。
その学校では学生が担当犬を預けてもらい、その犬の世話をしながらアニマルセラピーの専門家、セラピードックとして実習を通してともに成長するというカリキュラムで勉強をしていくようです。娘の担当犬は「マリオ」という茶色のポメラニアンで、基本的な世話ができるようになったら自宅に連れ帰って世話をしてもいいということです。
もう少ししたら我が家にかわいいポメラニアンがやってきます。今からそれを楽しみにしています。

編集後記
皆さんこんにちは。最近の私事は、仕事で大きな転換期を迎えようとしています。9月初旬から色々と考えていることがありまして、あまりにも悩みすぎてストレスによる体調不良を引き起こしてしまいました。それでも、なんとか自分の道を選択することができ、ようやく安心した生活を送っています。不思議なことに、自分で選択し進む道がはっきりすると、一気に体調も回復し物事が進みだしますね。悩みすぎずに、思い切って行動することも大事ですね。それでは、次号の県士会ニュースも楽しみに待っていてください。三宅

県士会ニュース143号 2017.8.10

2017.08.10
お知らせ

目次

① 平成29年定期総会開催報告及び新体制について … 畑中一枝
② 第27回東北作業療法学会の開催報告 … 道又 顕
③ ◆職場紹介◆医療法人徳洲会仙台徳洲会病院 … 佐々木裕一郎
④ ◆つぶやきコーナー◆「懐かしんではシミジミしています」 … 淀川裕美

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① 平成29年定期総会開催報告及び新体制について

 

事務局長 畑中 一枝

総会①

平成29年5月28日(日)に、東北福祉大学ステーションキャンパスにて定期総会を開催いたしました。総会時の有議決権会員数は812名。委任状による有効回答数404名、総会出席者125名(内、理事・監事13名)計有効数529名でした。
今年度は役員改選の年に当たっており、新役員の選任が行われ就任いたしました。また総会後の理事会にて、代表理事の理事互選及び担当理事制の継続の確認と担当部局の決定を以下の通り行いました。

代表理事(会長/企画管理局担当)
道又 顕 (広南病院)
常任理事(第一副会長/事業局担当)
大貫 操 (泉中央南おひさま訪問看護ステーション)
常任理事(第二副会長/学術局・企画管理局・委員会担当)
大内 義隆 (介護老人保健施設なとり)
常任理事(事務局長/事務局担当)
畑中 一枝 (エコー療育園)
理  事(事業局担当)
稲毛 義憲 (東北福祉大学)
理  事(委員会・企画管理局担当)
大塚 英樹 (せんだんの丘)
理  事(委員会担当)
上遠野 純子 (東北保健医療専門学校)
理  事(事務局担当)
金澤 聡 (仙台リハビリテーション専門学校)
理  事(事務局担当)
佐々木 俊二 (川崎こころ病院)
理  事(事務局担当)
中塩 加久子 (長町病院)
理  事(委員会局担当)
渡部 達也 (株式会社 わざケア)
監  事
及川 恵孝 (介護老人保健施設リラの郷)
監  事
大黒 一司 (東北文化学園大学)

また4月より、これまで10ブロック構成だったブロック構成について、一部のブロックでの会員数の増大や近年の地域包括ケアシステムの構築などにおける市町村との連携強化の必要性から、市町村や保健所管轄の区分をもとに、以下のように12ブロックに再編を行っています。

・青葉ブロック:仙台市青葉区
・宮城野・若林ブロック:仙台市宮城野区、若林区
・太白ブロック:仙台市太白区
・泉ブロック:泉区
・黒川・富谷ブロック:富谷市、大和町、大郷町、大衡村
・名取・岩沼ブロック:名取市、岩沼市、亘理町、山元町
・仙南ブロック:白石市、角田市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町
・塩釜・多賀城ブロック:塩釜市、多賀城市、松島町、七ヶ浜町、利府町
・石巻ブロック:石巻市、東松島市、女川町
・大崎ブロック:大崎市、色麻町、加美町、涌谷町、美里町
・栗原・登米ブロック:栗原市、登米市
・気仙沼・南三陸ブロック:気仙沼市、南三陸町

その他、新しい部署として、企画調整部地域支援班を企画管理局「地域支援部」へ昇格。特設委員会として「運転と作業療法」の新設も行っております。
人的にも、組織的にも新体制となり、何かと立て込んではおりますが、会の運営には会員相互の協力が欠かせませんので、皆様の変わらぬご協力をお願いします。

 

② 第27回東北作業療法学会の開催報告

実行委員長 道又 顕

(一般財団法人広南会 広南病院)

平成29年6月24日(土)~25日(日)、トークネットホール仙台(仙台市民会館)で第27回東北作業療法学会が開催されました。天候に恵まれた中、東北6県から500名を超える会員が参加し盛会裏のうちに終了いたしました。今回の学会テーマ「人は作業で生きる~生きる力を支える作業療法~」のもと、一般演題84演題(口述発表40演題、ポスター発表44演題)の発表、教育講演、公開講座が行われました。また、日本作業療法士協会50周年記念事業として医療介護連携・作業療法シンポジウムを日本作業療法士協会と共催することが出来ました。学会1日目の夜には恒例の懇親会も開催され、約150名が参加しました。各県士会から余興と各県自慢の日本酒を持ち寄っての利き酒大会で盛り上がりました。

東北学会―受付

東北作業療法学会は平成2年より東北6県の作業療法士会が持ち回りで開催しています。宮城県での開催は平成22年に東日本大震災のため中止となりましたので、平成16年以来、実に13年ぶりの開催となりました。当日のお手伝いは約100名、その半数以上が地元開催を初めて迎える若い会員となりました。お手伝いを頂いた会員にはこの場をおかりしましてあらためて御礼を申し上げます。
次の宮城県開催は6年後の2023年です。このニュースを読んでいるあなたの6年後の未来はどうなっているのでしょう?作業療法をさらに発展・普及させるためにも会員皆様の協力が必要になります。今後とも県士会活動への参加・ご協力のほど宜しくお願い申しあげます。

東北学会―懇親会②

 

③ ◆職場紹介◆

医療法人徳洲会仙台徳洲会病院

 

佐々木裕一郎

【病院紹介】
・診療科目:内科、消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、糖尿病・代謝内科、神経内科、リハビリテーション科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、整形外科、脳神経外科、産婦人科、皮膚科、泌尿器科、放射線科、眼科、麻酔科、歯科口腔外科、救急科
・病床数:315床
・リハビリスタッフ数:PT15名 OT6名 ST4名 リハビリ助手1名
・OT業務内容:入院、外来のリハビリ業務全般
・対象疾患:脳血管疾患、運動器疾患、内部疾患、神経難病(ALS)など
・職場の位置 ・・仙台市泉区七北田字駕籠沢15 泉中央駅より徒歩7分

【リハビリ科の紹介】
当院は仙台北部、黒川圏内の救急の一翼として、おおよそ1日平均11~12件救急の受け入れをし、ほとんどが入院翌日~数日のうちにリハビリ開始となります。
作業療法では、脳血管疾患では身体機能改善、早期の基本的ADL獲得を目指し、運動器疾患は肩から指先の外傷、骨折などを担当し、入院から外来、仕事や家事などの作業的役割の獲得までフォローしています。
また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の方々に対しては、 意思伝達装置「伝の心」の練習、それを操作するスイッチの身体状況に合わせた適合を行なっています。
急性期リハを前進させるスピード感を持つ一方で、症状が進行するALSの方々の身体きのうや生活に歩調に合わせるというバランスを持っていることが当科作業療法の特徴と言えます。
今後も地域の皆様と病院、各施設の皆様に貢献できるように励んでいく所存です。

仙台徳洲会病院

 

⑤ ◆つぶやきコーナー◆

「懐かしんではシミジミしています」

 

東北保健医療専門学校 作業療法科教員 淀川 裕美

 今年で作業療法士21年目になりました。これまでのOT人生の殆どが在宅訪問を通じて対象者様の傍らで作業を実践してきました。自己紹介の際は、決まって「訪問リハをしています」「神経難病の対象者様と関わらせて頂く機会が多くありました」と言っていた私も、現在は県内では新設校にあたる学校の教員に就かせていただき早7年目となります。あと数年も経過すると、教員歴の方が長くなることについ最近気が付き、時の流れを痛感させられました。様々な流れの中で節目に当たる時、必ず私の周りには「良き先輩」がいました。直接何かを計らってもらうのではなく、「憧れのOT」「素敵な大人」として、私の目標となる方々です。学生時代は(も)勉強が苦手で、実習でも指導者の先生方には大変ご迷惑をおかけしました。それにも拘わらず、OT4年目の夏、研修会場で私を見つけて下さった嘗てのスーパーバイザーは「今野さんでしょ?長野から戻ったのよね、これからも宜しく」と声をかけて下さりました。とにかく嬉しかったので鮮明に覚えています。「私も一人ひとりを丁寧に記憶して自分から積極的に声を掛けられる大人になろう、そうやって沢山の人と繋がっていこう」その時、弾む胸の内で自分に誓いました。その後は、県士会を通じて沢山の先輩方と活動をさせていただきました。私の想像を超えるスピードで展開する意見交換や、画期的ともとれる治療を実践する先人の凄みを目の当たりにして、「こんなOTになりたい」「この先輩方に信頼してもらえるくらい私も頑張ろう!」今度は強い憧れを抱きました。「どんなことでもチャレンジしたい」とも思いました。県士会活動に参加することで沢山の方と知り合えることが強い動機付けとなり、先輩方から声をかけて頂けることも次へのモチベーションとなったのです。10年目を迎えた頃には学生時代の仲間と先生を囲みお酒を飲む機会もありました。集まる面々の個性から容易に思い出されるヤンチャの数々も、先生は愛情深い言葉で「良いよ、許す」と笑顔で懐かしんでいらっしゃいました。恩師の寛大な心に触れた時、許すこと・待つことの背景にある情の厚さを感じ、胸が熱くなりました。信じて見守って下さることで卒後も育てて頂いていると感じます。先生方…私も過去を思い出し、人情を感じては目頭を熱くする年になりました。人のつながりに勇気づけられて今に至ると感じます。私も後進にそんな光を注ぐことのできる大人になりたい。多くの方と繋がっていきたいと思います。

編集後記
季節は夏真っ只中。暑い日が続いていますが、皆様はどうお過ごしでしょうか?
私はこの夏、自分が大切にしたいと思う時間を粗末にせず、充実した時間を過ごしたいと考えています。そのためには、体調管理が必要不可欠と考えます。体調を崩さないように、食事や運動に気をつけて過ごしています。昼夜の気温の寒暖差がありますが、皆様も体調管理には気をつけてお過ごし下さい。佐久間

県士会ニュース142号 2017.2.26

2017.02.26
県士会ニュース

目次

① 平成29年の年頭に寄せて … 道又顕
② 宮城県大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会 … 上遠野純子
③ ブロック主体での県学会を終えて … 長嶋卓矢
④ ◆職場紹介◆東北医科薬科大学 若林病院 … 皆川昌子
⑤ ◆つぶやきコーナー◆「人生山あり山あり」 … 高橋美幸
⑥ ◆つぶやきコーナー◆「宮城県での生活を振り返って」 … 二瓶智史

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① 平成29年の年頭に寄せて

 

一般社団法人宮城県作業療法士会 会長 道又 顕

遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。旧年中は会員の皆さまには多大なご協力をいただき誠にありがとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

昨年は会長を拝命されてから初めて1年間を通して活動を行いました。会長として士会を代表して県内で行われる会議等に出席したり、日本作業療法士協会の47都道府県委員会に出席したりと忙しい1年でした。また、皆さまもご存知のように宮城県理学療法士会、宮城県言語聴覚士会と宮城県リハビリテーション専門職協会を設立し、宮城県や仙台市だけではなく関係団体へご挨拶させていただくことも出来ました。リハビリテーション三職種が一つになることで、宮城県や市町村の窓口が一本化されるだけでなく関連団体との関わりも増えていくことになっていくと思います。昨年の活動の中では、リハビリテーション専門職に対する期待は医療・介護の現場だけではなく、地域のなかで広がりはじめているように感じております。地域包括ケアシステムの構築に向けて作業療法士は何が出来るのかを、より分かりやすく地域へ伝えていくことも大切なことだと考えております。

本年も引き続き作業療法の啓発、地域包括ケアシステムに資する人材育成、さらに病院・施設で勤務している会員が地域からの派遣依頼に応えやすいシステム作りを目指して頑張っていきたいと考えております。今後とも会員の皆さまの一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

② 宮城県大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(通称:JRAT MIYAGI)について

緊急時対策委員会担当理事 上遠 野純子

平成23年に私たちは東日本大震災という未曾有な災害に遭い、多くのものを失いました。家を失い、家族を失い、また多くの対象者を失いました。宮城県OT士会は、震災後すぐに県士会会員の安否確認と会員の勤務する職場の被災状況を電話等で確認する作業を続けるとともに、被災した地域での支援活動に関する連携について、宮城県PT士会と協議を行い、協働で行う支援活動運営の流れを決定しました。また、地域保健師とともに一般避難所の巡回支援を行っていた、保健福祉事務所と県リハ支援センターの20余名のPT・OTからの沿岸地域の情報を得て、私たちは被災した沿岸地域で支援活動を継続してきました。支援活動を開始して間もなく、東北大学内部障害リハビリテーション科の上月教授から連絡が入り、関連施設の被災状況や医師の派遣状況、また連携していつでも協働で活動が行える体制を作って頂けることをご教示頂きました。私たちは、その後適宜、上月教授に、支援活動に入った地域の避難所や仮設住宅の活動状況をお伝えし、アドバイス等を頂きながら、活動を継続して行きました。その内容は先の様々な支援活動報告に示す通りです。

私たちは、昨今の国内外での自然災害後の被災者支援活動を経験する中で、平時からリハビリテーション関連団体相互が連携し、各地域にて災害リハビリテーション支援チームを発足する必要性を感じつつ、活動を続けておりました。そして、大規模災害発生時には災害弱者、新たな障害者、あるいは被災高齢者などへ、チームで適切な対応を行うことで人々が災害を乗り越え、自立生活を再建、復興を目指していけるように、安心、安全且つ、良質なリハビリテーション支援を受けられる制度や体制の確立を促進することが重要と考え、一昨年から宮城県リハ医会、宮城県PT士会、OT士会、ST士会、宮城県ケアマネ協会の各担当者が集まって協議し、準備検討を進めて参りました。そこでこの度、平成28年12月1日に「宮城県大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会」(Japanese Rehabilitation Assistance Team MIYAGI)を設立する運びとなりましたことを、会員の皆様にご報告申し上げます。活動の目的は会則にも示す通り、災害リハビリテーション支援チームの育成と組織化、都道府県を単位とする全国規模のネットワークの構築、災害リハビリテーションに関する教育・啓発のための研修および広報が主になります。ホームページも開設し、その活動のあり様はこれからも会員の皆様にお知らせしつつ、関連団体の輪を広げて、多職種でのネットワークを構築することは地域リハビリテーションの充実にも繋がると思っておりますので、研修会等には是非足を運んでみてください。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

JRAT写真

 

③ ブロック主体での県学会を終えて

 

長町病院  長嶋 卓矢

今回、仙台市民会館で行われた「第18回宮城県作業療法学会」の実行委員長を務めました仙台南・名取ブロックの長嶋です。岩沼・仙南ブロックの高梨先生と協力をして、無事終了することが出来ました。協力して頂いた各ブロックの先生方や運営などにご指導頂いた先生方、参加して頂いた皆様に感謝いたします。
生活を支援する作業療法について大貫先生に講演頂き、『対象者がその人らしく生活できるようその人の本当の目標を把握し、コミュニケーション力をもって他職種連携チームで支援する』というコミュニケーション力の必要性を改めて感じました。また、発表して頂いた5名の先生方いずれも考えの幅を広げる、深める上で貴重な症例報告、事例報告であったと思います。
研修会は他施設のOTの先生の発表を聞くことが出来るほか、今作業療法士に求められている事、悩み・共有したいことなどが少しでもはっきりする場だと私は思います。そのため、ぜひ皆様にお願いしたいのが、各ブロックでの活動に対して協力をして頂きたい事です。もちろん業務が忙しい、家庭があり遅くまでは難しい、興味がわかないなどはあると思います。ただ、「この部分だったら手伝える」など少しの事でもよいですので参加してみてほしいです。
今回、学会の運営に携わり、失敗や反省も非常に多々あります。しかし、たくさんの先生方の協力のおかげで終えることが出来ました。何かを作り上げる事は非常に大変なことであるとは思いますが、様々なつながりを作っていき(その身近なものがブロック活動だと思います)、コミュニケーション力を養っていきたいと思います。多くの皆様から意見を頂き宮城県作業療法士協会を盛り上げていきたいと思いますのでご協力を御お願い致します。

 

④ ◆職場紹介◆

東北医科薬科大学 若林病院

 

皆川 昌子

【施設概要】
病床数:199床   療法士数:理学療法士11名、作業療法士8名、言語聴覚士3名
H22.4 作業療法室開設
H28.4 NTT東日本東北病院から東北医科薬科大学若林病院に名称変更

当院の作業療法対象患者の特徴として、呼吸器疾患患者が多いこと、生物学的製剤治療を受けているリウマチ患者に定期介入していることが挙げられます。
呼吸器疾患患者は入院リハ全体の約3割を占め、医師、看護師、薬剤師、栄養士、療法士など多職種で構成された呼吸サポートチーム(RST)を中心として包括的リハビリテーションが行われています。RSTの取り組みとして、日々の関わりを見直し、より良いリハビリテーションを提供するため学会発表や院内研修会開催などチームとしての研鑽が積極的に行われています。また臨床場面において作業療法士は主にADL指導の役割を担っており、より息苦しさの少ない安全かつ自立した生活を送っていただけるよう支援しています。
リウマチ患者の生物学的製剤治療は4~8週間隔で実施されています。対象の患者は、治療日に一泊程度入院し、それ以外はご自宅で自立した生活を送られている方が殆どです。こういった方に対し自立した生活が続けられるよう、身体機能の評価、自主トレの指導、日常生活における困難へのアドバイス等を行っています。
どの疾患にも共通することですが、関わりの中で病気に対する不安や戸惑い、孤立感などの声が多く聞かれ、障害受容やメンタルケア、QOL面への関わりも作業療法士として重要な役割であると感じます。RSTでは年4回フライングディスク講習会を開催し、患者間の交流の場を作っています。このような活動をRST以外でも広げていきたいと考えています。同じ疾患を持ち似た境遇を共にする仲間との交流の場を設け不安や孤立感を軽減できるような役割を果たしていければと思います。
以上が当院における作業療法士の役割の一つではありますが、今後も地域に根ざした病院の一員として存在感のある作業療法部門を目指していきます。

 

⑤ ◆つぶやきコーナー◆

「人生山あり山あり」

 

宮城病院 高橋 美幸

今年度は何と忙しかった事でしょう。
春に現職に異動になり、前年度から準備していた学術団体の東北ブロック研修会の実行委員長としての企画運営、他に勤務している機構団体の北海道東北グループの作業療法の研修会・リハ学同窓会の企画運営等を6つ抱えていました。息切れしながら何とかやってきました。
最近、ある懇親会のご挨拶で、順天堂医院の理学療法士の保苅先生が「人生色々です。山あり谷ありと言いますが、谷はありません。山の次に山が来ます。山が無くなった時は生きる事を止める時です」と言われました。妙に納得しました。
毎日、忙しいことが何かと続いています。先日は一つ、山を登りました。ホット息をつくとまた山が来ます。保刈先生の言葉を思えば気が楽になります。
これまで色々な方々にお世話になってきました。これらの沢山の仕事も一緒に手伝ってもらえる仲間がいての事です。本当に感謝の気持ちで一杯です。人とのつながりの大切さをこの年になり更に感じます。
先日のリハ学の同窓会の話題は、「これまで仕事をしてきて、50歳を過ぎてこれからの人生をどう考えてどう生きるか、これから何をするか」でした。そういう事を考える年になりました。
今年70歳になられる恩師は、とてもパワフルで今も研修会で学び、そして世界各地で遊ばれる姿はとても感銘を受けます。私も定年まで働きたいですし、定年後も働きたいと思います。
五十肩に腱鞘炎になり、周りのセラピストに治療してもらい、自分でもリハビリをして何とか治りましたが、筋・関節の柔軟性を上げることは予防の意味でも大事だと思いました。今はメンテナンスのためにホットヨガ、ホットピラティス、日々のバランス運動をしています。年々落ちる体力、あと△年今の心身状態を維持できるでしょうか。維持することの大切さを感じ、高齢の患者さんの機能維持は生活の質に関係するとしみじみと思います。
恩師のようにいくつになっても学び続ける事が自分たちの専門職としの知識・技術、地位の向上になり、何よりも患者さんを良くすることにつながります。
資格を得た時がスタートです。ゴールはありません。生涯続きます。特に若い時程、時間、体力、気力、記憶力、自由になるお金が有ります。是非、生かして頂ければと老婆心から思うこの頃です。「山あり山あり、それが生き続ける」事です。

 

⑥ ◆つぶやきコーナー◆

「宮城県での生活を振り返って」

 

川崎こころ病院 二瓶 智史

地元を離れ12年の歳月が流れ、宮城県での生活ももうすぐ8年が終えようとしています。
大学を卒業してすぐに現在の職場に就職し、精神科療養病棟で約1年半、回復期病棟で約6年半勤めさせていただきました。また、県士会に所属し、約8年間広報部員としてお世話になりました。
社会人になりたての頃は日々の業務を覚えることに精一杯で、正直仕事以外での思い出はほとんど残っていないような気がします。2年、3年...と月日が経つにつれ、生活にも少しずつゆとりがうまれ、休日には仙台市内を観光したり鳴子まで温泉に入りに行ったりと楽しみをもって生活できるようになったことが懐かしく思えます。徐々に求められることが変化していく中、後輩育成や学生への指導の難しさに悩むこともありますが、楽しく充実した日々を送れたように感じます。県士会活動では、広報部員としてどれだけ貢献できたかはわかりませんが、多くの方々に支えられながら楽しく活動を続けてくることができました。
4月からは地元の急性期病院に勤めることになります。新しい環境での生活に不安もありますが、それ以上に期待が大きいのでとても楽しみにしています。今後は宮城県を離れてしまいますが、学会や研修会等でお会いした際には声を掛けていただけると嬉しく思います。
最後に、宮城県で過ごした8年間でお世話になったすべての方々に感謝したいと思います。今までありがとうございました。またお会いできることを楽しみにしています!

編集後記
気づけば今年も最早3月目前と月日の流れを痛感しています。朝晩の気温差や日によっての変動も多くありますので、どうぞお体に気をつけてください。今年も会員の皆様にニュースを発信していくにあたり尽力して参りますので宜しくお願い致します。佐藤(光)

県士会ニュース141号 2016.12.27

2016.12.27
県士会ニュース

目次

① 地域包括ケアシステムに関して今伝えたいこと … 大塚英樹
② MTDLP(生活行為向上マネジメント)研修について … 角山亮祐
③ ◆ブロック活動報告◆宮城野ブロック … 原田博恵
④ 福祉用具使ってますかっ!!第二報「車いすクッションの作製を通して構造を知ろう」 … 今井卓馬
⑤ 認知症トピックス … 千葉未佳
⑥ ◆職場紹介◆石巻市立病院 … 菊池梓
⑦ ◆職場紹介◆南浜中央病院 … 髙野恭平
⑧ ◆つぶやきコーナー◆ … 葛西康

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① 地域包括ケアシステムに関して今伝えたいこと

 

せんだんの丘 大塚 英樹

「皆さんもご存じの地域包括ケアシステムですが」「地域包括ケアシステムと言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?」「地域包括ケアシステムって何?」
昨今、地域包括ケアシステムを説明する時に用いられる文章は、お示ししたように「知っていて当然」から「まだ耳慣れない」まで様々なレベルが見受けられます。宮城県作業療法士会(以下、県士会)の会員の皆様はどのレベルでしょうか。私が個人的に見聞きしている限り、地域包括ケアシステムは「介護保険で働く作業療法士(以下、OTR)のこと」とか、「老年期を担当しているOTRのこと」とか、「大事そうだけど、自分には関係ないかな・・」とか、簡潔に言えば「他人事」として捉えている方が大勢を占めている印象です。また、私は5年前から居宅介護支援事業所で介護支援専門員(以下、ケアマネ)をしていますが、ケアマネの中でも、同様に「他人事」と捉えている感じがします。
地域包括ケアシステムには、OTRも、ケアマネも、重要な役割が用意されています。それを知っている人から言わせれば、「知っていて当然!」であり、「まだ知らないOTRやケアマネがいるとは言わせない!」という想いを込め、「皆さんもご存じの・・」と説明したくなるようです。重要な役割のある職種が、その役割通りに動かないと、地域包括ケアシステムが機能しない、という危機感がそのような表現になるのでしょうか。
まだ知らないことを、「知っていて当然!」と言われると、残念な気持ちになることがあります。もしかしたら、「知らないよ、そんなこと!」と反感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。地域包括ケアシステムが、医療や介護、老年期に限らず、すべてのOTRにとって重要なこと、知らなければならないことなのであれば、それを伝える方法は多様であるべきでしょう。危機感をあおることも、地道に周知を進めることも、一つの方法です。
先日、県士会で「地域包括ケアシステムおよび地域ケア会議に資する人材育成研修会~地域に求められる作業療法士になるために~」という研修会が開催されました。私も講師の一人として、「研修会開催」という方法で地域包括ケアシステムのOTRの役割を伝えました。会員の皆様は、どのような方法で地域包括ケアシステムを伝えて欲しいでしょうか。今後も、県士会は多様な方法で説明を続けますので、ご自身に合った方法を見つけた際には、両手を広げて受け取って頂きたいと思います。

 

② MTDLP(生活行為向上マネジメント)研修について

企画調整部 地域支援班 MTDLP推進チーム 角山 亮祐

みなさんこんにちは。今回、地域支援班より、MTDLP研修について書かせていただきます。
宮城県作業療法士会では、日本作業療法士協会とともに、MTDLP基礎研修の修了者を平成28年度中に会員の60%以上に引き上げることを目標に取り組んでおります。当士会においては、既に300名以上の会員が修了しておりますが、修了率は35%となっており、目標に向けてまだまだ多くの修了者を排出していくことが必要です。
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MTDLP研修は「基礎研修」と「実践者研修」に分かれており、基礎研修を修了した方が、実践者研修に進む形となっています。基礎研修は、概論90分、演習330分の1日研修を受講することで修了となります。実践者研修はブロック会等で開催される「MTDLP事例検討会」にて事例報告を行うことで修了となります。また、基礎研修については、今年度から生涯教育制度における現職者選択研修の必修研修となり、地域支援班と教育部が合同で開催しています。既に現職者研修を修了された方にも受講が推奨されておりますので、まずは、基礎研修を受講し、MTDLPの概要や推進の背景について知って頂ければ思います。
MTDLPは、生活から失われた「やりたいこと」を「できる」ようにして、いきいきとした地域生活を継続するための支援ツールであると同時に、「作業療法の見える化」のツールでもあります。周囲の人達に作業療法というものを知ってもらうためにも、より多くの方に研修を受講していただければと思います。
研修会等の情報は下記の通りとなっています。研修会費が変更となる点などをご確認いただき、今年度中の基礎研修修了を目指し、是非 ご参加ください。
【平成28年度の研修会について】
●研修会日程・会場
第4回MTDLP基礎研修 平成29年2月18日(土)  東北保健医療専門学校
●来年度から研修会費が変わります
研修会費:4,000円 ⇒ 2,000円(平成28年度まで)
※全国介護老人保健施設協会等が主催する、生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定資格を得るための研修会とは異なります。既にそちらの研修会に参加された方も、是非ご参加ください。

 

③ ◆ブロック活動報告◆

宮城野ブロック

 

東北医科薬科大学病院  原田 博恵

宮城野ブロックは、仙台市の若林区と宮城野区にある17施設、約70名で構成されているブロックです。施設の内訳は、身障病院7、老健4、精神2、在宅支援2、小児1、行政1施設と身障病院が過半数を占めています。
私がブロック長を引き受けて4年になります。始めの3年間は、勉強会の参加人数の増員やブロック活動の仕事が不慣れであるという理由から、近隣の青葉ブロック、東仙台・塩釜ブロックと合同で勉強会等を開催していました。4年目の今年は、ブロック内の交流を深めることを目標に、宮城野ブロック単独での催事を検討しました。宮城県OT定期総会後の6月「交流会」を開催しました。参加人数は7名と少なかったものの、ブロック活動の現状と今後の在り方について話し合いの場を持つことができました。9月、同ブロックの千葉未佳さんに講師をお引き受けいただき、全分野に共通してかかわる疾患である「認知症」をテーマに勉強会を開催しました。遠方の他ブロックからも多数参加していただきました。ブロック勉強会ならではのアットホームな勉強会になり、嬉しく思っております。
その一方で、ブロック活動を継続するにあたり、いくつか問題点も挙げられます。宮城野ブロックでは、諸事情によりブロック長と事務局が一本化されているため、他ブロックと比べて各施設での役割分担が成されていません。そのことが、施設間の交流不足、延いては勉強会の参加率の低さにつながっているものと懸念されます。今年度より県学会も「ブロック単位での運営・開催」が導入され、今後さらにブロック内での施設間交流が重要になってくると思われます。来年度を迎えるにあたり、宮城野ブロックの今後の在り方や運営方法について、ブロック会員皆で検討する事の必要性を強く感じています。どうぞ皆様のご協力をよろしくお願い致します。

 

④ 福祉用具使ってますかっ!!第二報「車いすクッションの作製を通して構造を知ろう」ワークショップ開催に携わって

 

公立黒川病院 福祉用具相談支援委員会 今井卓馬

去る平成28年10月29日に仙台市シルバーセンターにて「福祉用具の日」記念イベントが開催されました。宮城県作業療法士協会 福祉用具相談支援委員会としては去年に引き続き二回目の参加となりました。イベントは福祉用具相談支援委員会の高橋春信氏による、ワークショップ「車いすクッションの作製を通して構造を知ろう」の他、セミナー「介護リフトセミナー~導入効果と県内での取り組みについて~」「食事支援のための車いすの選び方~摂食・嚥下のためのシーティング~」を、それぞれ講師を招いて実施しました。当日、私は、ワークショップの運営に関わらせて頂きました。
今回のワークショップは「車いすのクッションの基本的な構造を知ることと、採寸やカッティングなどの作製過程の一部を体験してもらう」ことを目的としていました。内容はグループ毎のモデルの身体計測を実施し、坐骨の位置に配慮しながら、すべり座り防止のためのアンカーを作製していくというものでした。今回、参加した方々にはモノを作るキッカケとなって頂ければと思いました。
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「自分専用のクッションを作りに来ました・・・。」という91歳の一人暮らしの男性。「授業の一環で来ました!!」という笑顔の素敵な介護福祉士、社会福祉士の学生さんたちと個性豊かな面々。終始、にぎやかに作製の時間が過ぎていきました。

今回のワークショップの運営に関わり、患者のためにモノを「つくる」ことの大切さを改めて実感しました。自分が作製したモノ(クッション・自助具など)によって目の前の人(患者、家族)の生活が変わることは「スゴイッ!」と思いませんか?OTの仕事の醍醐味の一つだと私は思います!
ご利用者、家族の方々のためにも、またこの様なワークショップを開催し、今後、県士会の方々と一緒に福祉用具についてお話できる機会があれば良いなと感じました。来年も、「おしり」にまつわる企画を福祉用具相談支援委員会で考えていきたいと思っています。

⑥ 認知症トピックス

 

フォーレスト訪問看護ステーション 千葉 未佳

今回は、9月に宮城野ブロック勉強会で「認知症」をテーマに話をする機会を頂いたことを振り返りながら、「認知症になっても安心して暮らせること」について少し考えてみたい。
認知症は2025年には700万人を超えると推計されており、歳を重ねるほど誰でもそうなる可能性があるはず…なのだが、身近に関わる機会がないとどこか他人事であり、ネガティブなイメージもいまだに根強いものがあるように思う。
認知症と診断された方が、何らかの支援を必要とするまでを「空白の期間」という。診断直後の「空白の期間」は、当事者やご家族に対するフォローが足りないのが現状である。この間に孤立感や喪失感を募らせながら希望を見失っていく当事者は多く、最も辛い期間とも言われている。特に「偏見」は、医療や介護の現場や行政、勤めている方であれば職場、家庭、そしてメディアを含めた社会全体…生活のあらゆる場面に存在し、当事者が最も辛いと感じるものの一つである。また、当事者ご本人の中にある「偏見」が、生活に支障をきたす一因になることもある。逆に言えば、「空白の期間」に安心して生活が続けられるしくみがあれば、認知症と診断されても希望を見失わずに済むのかもしれない。
こんな話がある。山陰や九州の離島やアイヌには、いわゆる「認知症の人」が居ないというのだ。どういうことかと言うと、歳を重ねれば認知症の症状が出始めてもそれは当たり前の変化であり、家族単位でも社会単位でも問題とされない文化があるのだそうだ。例えばアイヌでは、認知症の症状がみられ始めた方の話す言葉を「神用語」と表現し、認知症に伴う変化を歳を重ねることで生じる価値や意味のある変化と捉え、周囲が一生懸命聴こうとするのだそうだ。決して「認知症の人」としてネガティブなレッテルを貼られることもなく、これまで以上に大切にされる文化があるのだ。いわゆる行動心理症状といわれるものは、日々の不安や混乱を重ねることにより生じる二次的なものである。そういった地域では「認知症」と診断される必要もなく、行動心理症状も起こりにくい環境があり、介護保険のサービスも必要最小限で済むのかもしれない。少なくともそこに住む人は、認知症の症状が出現しても安心して年を重ねられ、人としての尊厳を持ちながら暮らしていけるのだ。もちろん一概には言えないが、「空白の期間」のつらさを解消していくには、新オレンジプランとか○○療法とか難しい理屈を捏ねなくとも、このあたりに色んなヒントがありそう…と思いを巡らす今日この頃である。

 

⑥ ◆職場紹介◆

石巻市立病院

 

菊地梓

【病院紹介】
<診療科>内科(一般内科、循環器内科、消化器内科)、外科、整形外科、放射線診断科、麻酔科、リハビリテーション科
<病床数>180床(一般病棟140床(うち20床は緩和ケア病床)、療養病棟40床)
<リハスタッフ数>PT3名、OT2名、ST1名
<リハ対象疾患>運動器疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、廃用症候群など

【リハビリテーション室の紹介】
当院は東日本大震災にて被災し、今年9月1日に石巻駅前に場所を変え、新たに開院した病院です。前院にもリハビリテーション室はありましたが、今回の開院にあたりスタッフ数が増え、理学療法の他に新たに作業療法と言語聴覚療法が加わりました。そのため、作業療法の開設準備から関わらせていただきました。開院までは準備が間に合うか、患者様に満足していただける作業療法が提供できるかなどの不安や心配が多くありましたが、同じ作業療法士の方々にアドバイスをいただきながら開院に至ることができました。
現在、入院と外来リハビリを行っており、作業療法では整形外科疾患の術後の方を中心に脳血管疾患や廃用症候群の方と幅広く関わっています。特に肩関節疾患(人工肩関節、腱板断裂など)の方や手関節の骨折で手術を受けた方が多く、機能向上に加えて、退院後の生活状況に合わせた練習や役割(家事や復職など)・趣味活動の再獲得を目的としたリハビリも行っています。
今後は現在の疾患に加えて、がんのリハビリ研修への参加など準備を進め、より充実した作業療法を提供できるように日々努力していきたいです。
開院して間もないため、至らない点が多いとは思いますが、「市民に愛される病院」を目指しリハビリスタッフ一同、協力しながら取り組んでいきたいと思います。

 

⑦ ◆職場紹介◆

南浜中央病院~取り組み内容の紹介~

 

髙野 恭平

【日々の「マンネリ化」を感じている皆さんへ】
この表は当院の現行の週間プログラムです。
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「マンネリ化」と言われる「大枠」となるのが、「個人活動」と、「グループレク」です。これらのプログラムは「パラレル」と「グループ」で行うという2つの側面から構成されていますが、現在では様々な形に発展させるための取り組みを実施中です。
バリエーションや、メリハリのある活動提供のためには、今ある「マンネリ化」している活動を「大枠」とし、それを分析し、治療的要素、側面を把握した後、それに則した新たな要素を組み込んでいくことが、大きな近道だと考えます。そのため、「マンネリ化」と言われる、大枠の部分こそ大切にしていく必要があるのです。
そこで、今回は、大枠としての活動と、付随する形で展開している一例として「生活相談」について紹介させていただきます。
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今までは、活動の合間などで受けていた相談に、「個人活動」の時間で場面を設定し、個別に受けることとしました。今まで見えてこなかった、患者様本人の生活上のストレスなどの、話を聞くことができ、共に問題解決に向けて考えるということにつながっています。「心理教育」「認知行動」的な考え方を交えながら日々進め方を検討中です。ここで寄せられる相談は、患者様方が自ら「生活相談お願いします」などと声をかけてくれることが多く、病棟生活で困ったことや、家族・スタッフとの関係づくりなどについて相談があります。病棟での患者様の様子、スタッフからの声がけの真意、家族とのやりとりの仕方など、共にスタッフと考えながら生活に活かしていけるように話し合いを展開しております。
また、それ以外にも、社会とふれあうことを目的とした「ソーシャルクラブ」や、個別・集団共に必要な身体機能へのアプローチも講師の方をお呼びして鋭意学習しており、さらなる個別のニーズに対応できるOT室づくりを目指しております。
最後になりますが、今回、県士会広報部の方からお話を頂き、記事を書かせていただくこととなりました。末筆ながら、このような機会を頂いたことに大変感謝致しております。今後も日々の中で少しずつにはなると思いますが、変化を⑦けながら、「マンネリ化」と言わ

れないようなOT室づくりに邁進していきたいと思っております。

⑧ ◆つぶやきコーナー◆

 

高森ロマンホーム 葛西 康

ページェントに灯りがともり、今年も残りあとわずかになってきました。一年が過ぎるのが年齢と共に加速していると感じる。県士会ニュースのつぶやき依頼を受け締め切り日までの早い事。
バックナンバーをいくつか読ませていただき、ベテランOTさんになると年齢から避けられない親の介護についての話題が出てくる。私も同じである。親は、いつまでも元気でいるものと錯覚してしまう。不死身な父親もここ数年、入退院を繰り返している。今年は、3度の入退院をした。一度は自宅の風呂場で意識を失い、心肺蘇生を受け救急車のお世話になった。その連絡を受けた時は、さすがにヤバイと感じた。そんな事があり今年は、両親のお見舞いや介護で、宮城と岩手を行ったり来たりした。そんな折、ふと入院の度に弱くなる親の背中を見た。今、自分は何を感じなくてはいけないのか、何をするべきであろうか、何を親の心に残すべきかと考え込んでしまう事が多くなった。しかし、時は答えを待ってくれず悩みは尽きないまま増える。過ぎ行く時の中で感じた事は、今ある事を精一杯する事ではないかと感じ進む日々である。
そんな介護の帰り道、ふと森林浴をしたくなった。日が傾き始めた時間帯であったが、野山で深呼吸をしたい衝動に駆られ妻といっしょに足を運んだ。今年は、熊の出没が多い。大丈夫、熊には会わないだろうと自分に念じをかけた。道端に大きな鐘が置いてあった。看板があり熊に注意とある。出るのであろうか?不安を隠し切れないまま、鐘をカン、カン、カンと大きく3回鳴らした。ふと、小高い山の方を見た。目の前50m先に、まぎれもなく仁王立ちの体長150㎝位の熊がいるではないか。今でも私の脳裏にその姿がはっきりと焼き付いている。後ろ姿ではあったが、立ったままで、左右の耳をピクピクと動かしていた。私は、立ち止まり固唾を呑み、妻に小声で「クマ、クマ。」と囁いた。急な動作は相手を刺激する、相手を見てゆっくりと退く事。熊に遭遇した時の対応知識は一応あった。しかし、一目散に走ってしまった。しかも背中を向けて。今年一番怖い出来事であった。
先日、地域包括研修会に参加させていただいた。研修会の参加者の大半は30~40歳代のベテランOT達であった。次いで若い卒後数年の方、そんな中に60歳代では1人、大先輩O様が参加されていた。お話を伺うに「もうひと肌、この世界でがんばろうと思って一から勉強しに来た。」とお聞きした。謙虚で前向きな姿勢と意欲に、さすが一流の方は違うと感銘を受けた。高齢化時代が必要とする職業の中から、より適切に社会貢献できる職業が検討されている。ある意味、別世界の生き残りかもしれない。私達作業療法士は、日々の実践を大切に、地域の中でも自分たちの技術、知識に対して自信を持ち、出来るだけ多くの方々に広く伝え実践してゆく事が大切であると感じる。50年に一度の作業療法の追い風が吹いていると聞く。私達、作業療法士の腕の見せどころである。

編集後記

2016年はもう少しで終わろうとしています。
今年も多くの作業療法士が活躍し、みなさんそれぞれがいろいろな思いを込めて患者様にリハビリを提供してきたと思います。
今年の県士会ニュースでも多くの先生方の、いろいろな思いをお伝えしてきました。
全ての記事を網羅することはなかなか難しいことだと思います。
ですが、その中で1つでも自分にとって印象に残った記事があり、それをどこかで患者様たちの助けにしていただければ幸いです。
2017年も多くの先生方の思いを届けることで多くの患者様たちが救われる県士会ニュースを発行していこうと思います。 佐藤(崇)

県士会ニュース140号 2016.10.20

2016.10.20
県士会ニュース

目次

① 教育部から生涯教育制度について … 紀國谷恵子
② 新任部長紹介 … 熊谷竜太
③ 福利部主催会員向け「肩こり・腰痛セミナー」を実施しました … 半沢正道
④ 第50回日本作業療法学会に行ってきました … 三浦南美
⑤ ◆職場紹介◆ 南浜中央病院 … 高野恭平
⑥ ◆つぶやきコーナー◆ 老いの構え … 山根佳子

バックナンバーはこちら

① 教育部から生涯教育制度について

-OT協会生涯教育制度を活用しキャリアアップをめざそう!-

 

教育部長 紀國谷恵子

みなさん、こんにちは。教育部の紀國谷です。いつも県士会活動にご協力いただきましてありがとうございます。日々みなさんは作業療法士として、それぞれの役割の中で対象者の意味ある作業をめざし作業療法を実践されていると思います。
日ごろ教育部は、OT協会が取り組んでいる生涯教育制度(2013年改訂)に基づき各種研修会を運営および単位認定、臨床教育検討等を担っておりますが、今回は生涯教育制度をより身近なものとして、またみなさんのキャリアアップに活用していただこうと思い、現在の制度改定についてポイントを絞り、情報を提供したいと思います。
生涯教育制度改定の構造図を示します。

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ご存じのとおりOT協会では、作業療法士の質保証と社会的地位向上を目的に認定作業療法士制度、専門作業療法士制度を創設しました(資格認定審査)。
改めて認定作業療法士等のキャリアアップを目指すためのステップを示します。
ステップ① 資格取得約5年までに「生涯教育『基礎研修』」を修了
※「基礎研修」修了には、1~3が必要
1.現職者共通研修(10テーマ受講修了で基礎ポイント20p付与)
2.現職者選択研修(2領域以上)
:平成28年度OT協会入会会員からは、生活行為向上マネジメント
(MTDLP「基礎研修」)受講が必須となり、他に1領域を受講
3.基礎ポイント50ポイント取得(1の20pを含む)
ステップ② さらにその後約5年間の研修を経て「認定作業療法士」、さらに「専門
作業療法士」をめざす。(実務経験5年以上が必要)

OT協会では、研修会への参加のしやすさと生涯教育制度の進めやすさに研修要件を改訂しており、以下に例を挙げます。
「基礎ポイント50p取得のための有効期間を5年間超えても有効とする」
「現職者選択研修受講の際は、その都度基礎ポイント2p付与する」
「MTDLP実践者研修における事例検討会での発表を現職者共通研修の10。事例報告に読み替え可能」
「新入会員になる前の当該年度の研修会参加も認める」
など
教育部としては、みなさんがOT協会生涯教育制度を活用し、スキルアップできるよう取り組んでおります。基礎研修が修了された方も現職者研修(特に選択研修)に参加され、改めて作業療法を振り返り、明日からの作業療法実践に役立てていただければと思います。なお、選択研修生涯教育制度※に関する不明な点や個別の質問、ご意見等については、生涯教育推進担当者と連携し、お答えしたいと思います。県士会ホームページの「お問合せ」からご照会ください。

今年でOT協会発足から50年を迎えました。創成期の作業療法士の方々の熱い思いを引き継ぎ、対象者ひとりひとりやそのご家族、ひいては国民に真に認められ、期待される作業療法士をめざすためにも生涯教育制度に取り組んでいただけるよう、教育部として活動を推進していきたいと思います。(新規部員の加入も絶賛募集しております!)
※生涯教育制度(http://www.jaot.or.jp/post_education/shougai.html)

 

② 新任部長紹介

仙台青葉学院短期大学 熊谷 竜太

この度、庶務部の部長を拝命いたしました、熊谷竜太と申します。初めましてという方が多いので、簡単に自己紹介をさせていただきます。

養成校を卒業後、北海道のとある病院で精神障害領域の作業療法士として勤務しておりました。その6年後に自分が卒業した母校(旧仙台医療技術専門学校)の教職員になるために、仙台に舞い戻ってまいりました。現在、教職員になって5年目に突入し、人に教えることの難しさを日々、痛感しています。また、仙台南・名取ブロックの事務局として県士会の活動に参加し、様々な会員の方と「つながり」を持つことができました。そして、「つながり」のおかげで、庶務部の活動に参画させていただくことになりました。

さて、宮城県作療療法士会の庶務部は、
① 会員の把握及びOT協会会員管理システムでの会員情報一括管理のための情報整理などを行う「調査資料班」
② 理事会(常任理事会含む)運営及び理事会資料・議事録作成などを行う「会議運営班」
③ 庶務部活動に係る経費の処理の実施などを行う「会計係」
④ 定期総会議案書の発送などを行う「印刷発送関連業」
⑤ 入退会を管理する「賛助会員入退会管理」の活動を行っています。

これらの仕事を、庶務部の部員や事務所の事務員の方たちが各班や係に分かれて、責任をもって役割を遂行してくれています。とても心強い部員や事務員の方たちがそろっているので、新米部長として安心して仕事をまかせることができています。

会員の皆様の業務等が円滑に進むよう、庶務部として支援していきます。よろしくお願いいたします。

※現在、庶務部では、部員を募集しています。活動に参加して下さる会員の方の連絡をお待ちしております。

 

③ 福利部主催 会員向け

「肩こり・腰痛セミナー」を実施しました

 

福利部長  半沢 正道

会員の皆様、こんにちは。

さて、例年会員向けの新人歓迎会やレクリエーションを実施している福利部ですが、今年は新たな試みとして、 2016年7月30日(土)に東北文化学園大学にて、会員向けの「腰痛・肩こりセミナー」を無料で開催しました。講師は西仙台病院の山田孝弘氏でした。日々の作業療法業務を遂行するにあたり、セラピスト自身も心身の健康状態を保持しながら勤続することは重要なテーマだと思います。そこで、領域を問わず業務の支障となりやすい腰痛・肩こりの予防や対策についての理解を深めることは、会員の福利厚生にもつながると考え企画いたしました。今回の参加者は13名で概ね20~30代で身体障害、老年期、精神障害領域からご参加いただきました。
アンケートでは「役に立つと思う」「大変満足した」の回答が多く得られました。今後の業務に活かしていただければ幸いです。

福利部では今後も様々な企画を練っていきたいと思います。また、「一緒に活動してみたい!」という会員も随時募集中ですので宜しくお願いいたします。

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④ 第50回日本作業療法学会に行ってきました

 

東北医科薬科大学病院 三浦 南美

今回私は札幌市で行われた第50回日本作業療法学会に参加させていただきました。
会場はJR札幌駅からタクシーで5分程のところにあるロイトン札幌、ホテルさっぽろ芸文館・ニトリ文化ホール、札幌市教育文化会館の三ヶ所の施設で行われていました。徒歩でも20分程のところであった為、札幌市内を眺めながら移動することも可能でした。
会場周辺は学会へ参加されるスーツ姿の方で賑わっており、今学会の規模の大きさを実感しました。
会場内ではシンポジウム、口述発表、ポスター発表など各会場にて行われていました。その他には機器展示コーナーにてスタンプラリーが行われており、とても賑わっていたように思います。
私が本学会に参加するのは今回が2度目であり、初めての参加は作業療法士1年目の時でした。当初は作業療法士の偉大さに只々圧倒されていましたが、4年目となった今回は自分が学びたい分野や日々の臨床での経験を意識しながら参加することができ、ほんの少しばかり自分自身の成長も感じることができました。
終わりに、今学会からスマートフォンアプリを導入したプログラムが配布され、スケジュール管理が行いやすく、学会側からのお知らせも随時受け取ることができ、状況が把握しやすかったと感じています。運営者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にお疲れ様でした。

 

⑤ ◆職場紹介◆ 特定医療法人 松涛会 南浜中央病院

 

髙野恭平

今回、職場紹介ということでお話を頂き担当させていただきます、南浜中央病院作業療法士の髙野です。当院は今年で四十周年を迎え、今後も益々の発展を目指し、活動を続けておりますが、それらについて、一部では有りますが、ここで紹介させていただきます。
【病院紹介】
名  称:特定医療法人松涛会 南浜中央病院
開  設:昭和51年9月1日
理 事 長:高階 憲之
総 院 長:牧尾 一彦
院  長:玉垣 千春
職 員 数:120人
診療科目:精神科・内科・歯科
ベッド数:
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医療設備:CT、X線、エコー、透視、心電図、脳波
認定施設:精神保健指定医 医療観察法通院施設

【作業療法士の配置】
・精神科作業療法:担当スタッフ(OTR3名、OTA1名)
・認知症デイケア:担当スタッフ(OTR1名)
(他スタッフも、活動時には都度介入している)
・精神科認知症治療病棟:担当スタッフ(OTR1名、OTA1名)
それぞれの部署で配属先がまちまちであり、各部署で様々な活動を展開中。

【診療部作業療法科の紹介】
各部署で作業療法士が活躍しておりますが、その中で、今回は私が所属している診療部作業療法科について説明させていて頂きます。
作業療法科は今までスタッフが定着せず、ここ数年は、中々安定した活動や、患者様との関わりが持てずにいました。一時は、私一人となり、同クオリティの作業を日々提供し続けるために、業務改善を繰り返しながら、毎日を送っておりました。しかし、患者様に提供する作業は、マイナーチェンジを繰り返してはいましたが、方法の定着化と、基準作りのために、大枠は変えておらず、「マンネリ化」と言った声も聞かれてしまう状態でした。「マンネリ化」と言えば聞こえが悪く感じますが、取り方によっては「一定の活動を提供し続けている」という、組織維持の観点を重視した形であると捉えることも出来るかと考えます。結果、その定着化が功を奏し、新たに入ってきてくれた素晴らしいスタッフたちとのやり方の共有や、新しい活動への発展が円滑に進められたようにも感じます。
次号に掲載される私の記事“日々の「マンネリ化」を感じている皆さんへ”が、同じように「マンネリ化」や「日々の活動」に悩みを抱いている精神科の作業療法士の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。

 

⑥ ◆つぶやきコーナー◆ 老いの構え

 

宮城厚生協会 山根 佳子

身内が介護を必要とするようになり、1年以上が経つ。老いと進行性の病に、次第に動けなくなり、介護するのも重労働となってきた。当人の後ろ向きな態度に苛々を募らせ、つい叱咤激励し、身内が老いるという現実を受け入れられないでいる。
そんな日々、何気なく過ごしてきた自身の生活の場が不自由になってきたことに、ある時気が付いた。それは、地下鉄の階段であったり、家の棚と棚との隙間であったり、‥全く意識に上ることなくこなしてきた日常で、多少の時間や集中力を使うようになり、失敗も多くなった。そして、半年程前、手すりに左肘を強打し、猛烈に痛い思いをした。かなり勢いよく動き、自分の動く空間を見誤っての事故、ついにやってしまったと、強いショックを受けた。さらに、日が経つ程に痛みは増し、日常もままならなくなり、ようやっとで受診した。「上腕骨外側上顆炎、いわゆるテニス肘です」、といわれ、あーそうか、テニスはしてないけどやっぱりそういうのか‥と変なことを考えたものだ。薬と自分流リハビリを続けるうち、ようやく痛みが治まり、日常生活も多少は楽にこなせるようになった。自身で動ける範囲やどう動けば無理がないのか、経験と学習で大まかはわかるようになった。自分のことというのは気が付きにくく、できなくなることを受け入れるのは容易ではない。痛い目に合うというのは、現実を、自分を受け入れるための一つの術となるらしい。
それにしても、痛みを忘れ、安楽に眠れたり、おいしくご飯が食べられたり、温かい湯船に身を委ねられたり、日常に心地良さを感じられることがどれほどありがたいことか。Quality of Lifeの本質はこういうところにあるのかと一人納得した。もし、自分が自身の日常をこなすのに人の手を借りなくてはならなくなったら、心地良さを提供してくれる、できれば上手な人の手がほしいと思うだろう。はたして、自分はそういう「人の手」になるだろうか、援助してくれる人の手に対して素直にありがとうといえるだろうか‥後者はNOかな。

編集後記

県士会ニュースでは今必要な情報を会員の皆様にお伝えすることはもちろんのこと、興味深い取り組みや様々な会員の声を紹介できればと思っています。つぶやきコーナーは、初めの頃は3年目や5年目のキャリアの浅い会員に、最近ではある程度キャリアのある方に日ごろ感じていることをつぶやいていただいています。読む人のその時の立場や気持ちで感じることが変わると思います。ホームページでバックナンバーも閲覧できますので、ぜひ読み返していただければ幸いです。川勝